ザイロリック®(アロプリノール)薬物動態情報
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尿酸生成抑制薬であるザイロリック®(アロプリノール)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『ザイロリック®IF, 2022年3月(第11版)』のことです。

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ザイロリック®(アロプリノール)薬物動態情報

適応

痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症

用法用量

アロプリノール 1回100mg 1日2~3回食後経口投与

バイオアベイラビリティ

  • 67%(健康成人600mg 経口投与)~90%(健康成人300mg 経口投与)
    (IF:P.13より)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

該当資料なし
B/Pが得られていないためB/P=0.5を代用します。

分布容積(Vd)

  • 1.61±0.74L/kg(健康成人500mg 静注投与)
    (IF:P.13より)

体重60kgの場合、
Vd=96.6L

Vd(b)=Vd/(B/P)
Vd(b)≦96.6/0.5
Vd(b)≦193.2L

Vd(b)≧50(細胞内分布型)、Vd(b)=20~50(分布中間型)、Vd(b)≦20(細胞外分布型)すべての可能性があるため特徴付けできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • 9.62±3.49mL/kg(健康成人500mg 静注投与)
    (IF:P.13より)

IFに記載の単位はmL/kgでしたが、IFの引用文献(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7094203/)にてクリアランスの単位がml/kg/minであること確認しています。

体重60kgの場合、
CL=577.2mL/min

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 排泄経路:主に腎臓(糸球体濾過)(IF:P.16より)

腎機能が正常な患者3名にアロプリノール600mg/日を経口投与した場合、尿中へは服用した76%が排出され、排泄物の割合は、アロプリノール10.4%、オキシプリノール73.6%であり、それぞれのヌクレオシドとして12.5%、3.5%であった。(IF:P.15より)

上記の記載より腎排泄型の薬剤といえます。

また排泄率の項目には『痛風患者に14C-アロプリノール169mg を単回経口投与した時、一部は未変化体のまま尿中に排泄され、残りの大部分はオキシプリノールに代謝されて、48 時間で投与量の約40%が尿中に排泄された。また、投与量の20%が未吸収のまま48 時間で糞便中に排泄された。』(IF:P.16より)と記載ありますが、オキシプリノールの半減期は約17.1時間であり、計測時間としては短くデータとして用いることはできません。

抽出比

Aeが不明のため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。

タンパク結合率

  • アロプリノール、オキシプリノールともに結合しない
    (IF:P.13より)

半減期

  • 未変化体アロプリノール
    Tmax約2.1 時間後
    Cmax平均1.48μg/mL
    t1/2約1.6 時間
  • 主代謝物オキシプリノール
    Tmax約4.6 時間後
    Cmax平均4.10μg/mL
    t1/2約17.1 時間

(IF:P.12より)

その他

  • アロプリノールはキサンチンオキシダーゼに対して、ヒポキサンチン及びキサンチンと拮抗することによって尿酸の生合成を抑制し、その結果血中尿酸値及び尿中尿酸値を低下させる。また、アロプリノールの主代謝産物であるオキシプリノールもキサンチンオキシダーゼ抑制作用を有する。(IF:P.11より)
  • 高度の腎障害を有する高尿酸血症患者にアロプリノール(380mg/日)を週5 日間投与した場合、週16 時間の血液透析により約70%が除かれたとの報告がある。(IF:P.16より)
  • 腎機能(クレアチニンクリアランス:CLCr)による投与量の目安
    ・CLCr<30ml/min:50mg/day
    ・30≦CLCr<50ml/min:50-100mg/day
    ・CLCr>50ml/min:100-300mg/day
  • 重大な副作用に中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、劇症肝炎等がある

ザイロリック®(アロプリノール)薬物動態情報まとめ

ザイロリック®(アロプリノール)の特徴
  • 未変化体(アロプリノール)・主代謝物(オキシプリノール)ともに薬効を示す
  • 腎排泄型
  • ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
  • 未変化体・主代謝物ともに蛋白結合しない
  • バイオアベイラビリティ:67~90%
  • 半減期:アロプリノール1.6時間、オキシプリノール17.1時間
  • 透析除去率:約70%
  • 腎機能により投与量調節が必要
    ・CLCr<30ml/min:50mg/day
    ・30≦CLCr<50ml/min:50-100mg/day
    ・CLCr>50ml/min:100-300mg/day

 

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