アロチノロール薬物動態情報
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Vaughan Williams分類Ⅱ群に分類されるアロチノロールの薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『アロチノロール錠「DSP」IF, 2022年4月(第10版)』のことです。

アロチノロール「DSP」が先発品です。もともとはアルマール®という医薬品名でしたが糖尿病治療薬のアマリール®と医薬品名類似に伴う医薬品取り違えが起きていたため2012年に販売名が成分名のアロチノロールへと変更になりました。

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アロチノロール薬物動態情報

適応

  • 本態性高血圧症(軽症~中等症)
  • 狭心症
  • 頻脈性不整脈
  • 本態性振戦

用法用量

  • 本態性高血圧症(軽症~中等症),狭心症,頻脈性不整脈
    アロチノロール 1回10mg 1日2回経口投与
    効果不十分時1回15mgまで増量可
  • 本態性振戦
    アロチノロール 1回5mg 1日2回経口投与 or 1回10mg 1日1回経口投与
    効果不十分時1回10mg1日2回(最大1回15mgまで増量可)

バイオアベイラビリティ

  • 該当資料なし
    (IF:P.15より)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • 該当資料なし

分布容積(Vd)

  • 該当資料なし
    (IF:P.15より)

特徴づけできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • 該当資料なし
    (IF:P.15より)

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 主に肝エステラーゼにより代謝され、主要代謝体のAC-623 が生成する。(IF:P.17より)
  • アロチノロール10mg を経口投与した時、24 時間までに、投与量の3.6~5.2%が未変化体体、2.9%がAC-623、0.4%がAC-703、0.3%がAC-681 として尿中へ排泄された。(IF:P.17より)

「半減期10時間×5>測定時間24時間」と、測定時間が「半減期×5」よりもみじかいため記載されていた値は特徴づけに用いることはできませんでした。

IFの記載からは肝エステラーゼにより代謝される肝代謝型の薬剤といえます。

抽出比

クリアランスが不明のため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。

タンパク結合率

  • 91.2%
    (IF:P.15より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.912=0.088
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 約10時間
    (IF:P.13より)

その他

  • 治療上有効な血中濃度(最低有効血中濃度):20ng/mL(IF:P.13より)
  • 透析除去率:透析による影響はほとんどないと考えられた(IF:P.14より)

アロチノロール薬物動態情報まとめ

アロチノロールの特徴
  • Vaughan Williams分類:Ⅱ群
  • 肝代謝型
  • ER、EH、Vd(b):該当資料なし→特徴づけ不可
  • fuP=0.088→タンパク結合依存型(fuP<0.2)
  • バイオアベイラビリティ:該当資料なし
  • 半減期:10時間
  • 肝エステラーゼにより代謝される
  • 治療上有効な血中濃度:20ng/mL(最低有効血中濃度)
  • 透析除去率:ほとんど影響なし

 

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