キシロカイン®(リドカイン)薬物動態情報
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Vaughan Williams分類Ⅰb群に分類される抗不整脈薬キシロカイン®(リドカイン)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『静注用キシロカイン®2%IF, 2021年9月(第13版)』のことです。

 

また少し話はそれますがリドカインは抗不整脈薬として以外にも局所麻酔剤としてゼリーやクリーム、テープ、点眼など様々な剤形があったり、濃度が異なる製剤も多いので注意が必要ですね。(この記事は抗不整脈薬の記事です。)

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キシロカイン®(リドカイン)薬物動態情報

適応

  • 期外収縮(心室性、上室性)
  • 発作性頻拍(心室性、上室性)
  • 急性心筋梗塞時及び手術に伴う心室性不整脈の予防

用法用量

  • 単回投与
    1回50~100mg(1~2mg/kg)〔2%注射液:2.5mL~5mL〕を、1~2分間で、緩徐に静脈内注射。効果が認められない場合には、5 分後に同量を投与。
  • 持続投与
    1~2mg/min(最大4mg/min:240mg/hr)

バイオアベイラビリティ

  • 該当資料なし
    (IF:P.11より)

(経口製剤はないためバイオアベイラビリティは不要です)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • 血液/血漿中濃度比:約0.8(IF:P.12より)

分布容積(Vd)

  • 91L
    (IF:P.12より)

Vd(b)=Vd/(B/P)=91/0.8=113.75
Vd(b)≧50より細胞内分布型の薬剤といえます。

全身クリアランス(CL)

  • 0.95 L/min
    (IF:P.12より)

ml/minに単位変換すると950ml/minとなります。

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 2.8%(24時間までのデータ)
    (IF:P.14より)

Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。

またAe=2.8%より、肝クリアランス(CLH)≒CLと考えられます。

抽出比

  • 肝抽出比
    EH=CLH(ml/min)/(B/P)/QH(ml)=950/0.8/1600=0.742

EH>0.7より血流速度依存型の薬剤といえます。

タンパク結合率

  • 約65%
    (IF:P.12より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.65=0.35
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 約2時間
    (IF:P.10より)

その他

  • 薬物代謝酵素CYP1A2 、CYP3A4で代謝される
  • 治療上有効な血中濃度:1.5μg/mL以上(IF:P.10より)
  • 中毒域:5~10μg/mL以上(IF:P.11より)
  • 作用消失時間:10~20 分
  • 血液透析でほとんど除去されない
  • リドカインは、主として肝臓でN-脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、芳香族の水酸化などによりglycinexylidide(GX)、2,6-xylidineに代謝され、投与量の約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される。
  • 主な代謝物であるmonoethyl glycinexylidide(MEGX)はリドカインとほぼ同等の抗不整脈作用を示し、glycinexylidide(GX)の抗不整脈作用はリドカインの約1/10である。

キシロカイン®(リドカイン)薬物動態情報まとめ

キシロカイン®(リドカイン)の特徴
  • Vaughan Williams分類:Ⅰb群
  • Ae=2.8%→肝代謝型(Ae≦30)
  • EH=0.742→血流速度依存型(EH>0.7)
  • Vd(b)=113.75→細胞内分布型(Vd(b)≧50)
  • fuP=0.35→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
  • バイオアベイラビリティ:該当資料なし(経口製剤なし)
  • 半減期:約2時間
  • CYP1A2 、CYP3A4で代謝される
  • 有効血中濃度:1.5μg/mL以上
  • 中毒域:5~10μg/mL以上
  • 血液透析でほとんど除去されない

 

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