プロノン®(プロパフェノン)薬物動態情報
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Vaughan Williams分類Ⅰc群に分類される抗不整脈薬プロノン®(プロパフェノン)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。

 

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『プロノン®錠IF, 2022年4月(第18版)』のことです。

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プロノン®(プロパフェノン)薬物動態情報

適応

  • 頻脈性不整脈

用法用量

  • プロノン® 1回150mg 1日3回経口投与

バイオアベイラビリティ

  • 絶対的バイオアベイラビリティ:4.82%
    (IF:P.18より)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • 該当資料なし

B/Pが得られていないためB/P=0.5を代用します。

分布容積(Vd)

  • プロパフェノン塩酸塩70mg静脈内投与時:266.02L
    (IF:P.18より)

Vd(b)≦Vd/(B/P)=266/0.5
Vd(b)≦532L

Vd(b)≧50(細胞内分布型)、Vd(b)=20~50(分布中間型)、Vd(b)≦20(細胞外分布型)すべての可能性があるため特徴付けできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • プロパフェノン塩酸塩150mg錠単回経口投与時:29.582L/min
    (IF:P.17より)

経口クリアランスであり特徴づけに用いることはできませんでした。

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 6%
    (IF:P.20より)

Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。

抽出比

全身クリアランスが経口クリアランスのため腎抽出比(ER)、肝抽出比(EH)は特徴付けできませんでした。

タンパク結合率

  • in vitro:91.2~92.7%
    (IF:P.19より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.92=0.08

fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 2~3時間
    (IF:P.15より)

その他

  • 治療上有効な血中濃度:約50ng/mL
  • P糖蛋白質の基質
  • 薬物代謝酵素CYP2D6、CYP3A4及びCYP1A2で代謝される
  • 代謝物5-ヒドロキシプロパフェノン(M4/3)はプロパフェノンと同程度の抗不整脈作用を有する活性代謝物
  • 透析性:非常に少ない
    血液透析患者5例にプロパフェノン300mg/日を2週間投与したとき、血中濃度は腎機能正常者のそれに比しやや高値であったが、血漿濃度曲線はほぼ類似しており、また透析排液にほとんどプロパフェノン塩酸塩未変化体を検出できないことから透析性は非常に少ないと考えられた。一方、代謝物5-ヒドロキシプロパフェノンは一部透析性があると考えられた。(IF:P.21より)

プロノン®(プロパフェノン)薬物動態情報まとめ

プロノン®(プロパフェノン)の特徴
  • Vaughan Williams分類:Ⅰc群
  • Ae=6%→肝代謝型(Ae≦30)
  • ER、EH、Vd(b)→特徴づけ不可
  • fuP=0.08→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
  • バイオアベイラビリティ:4.82%
  • 半減期:2~3時間
  • 薬物代謝酵素CYP2D6、CYP3A4及びCYP1A2で代謝される
  • 治療上有効な血中濃度:約50ng/mL
  • 透析性:非常に少ない
  • P-糖蛋白阻害作用を持つ薬剤との併用に注意

 

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