ダイアート®(アゾセミド)はループ利尿薬に分類される利尿薬です。
ではダイアート®の薬物動態情報についてみていきましょう。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『ダイアート®IF, 2019年8月(第11版)』をさしています。
Contents
ダイアート®(アゾセミド)薬物動態情報
用法用量
ダイアート® 1日1回60mg経口投与 適宜増減
バイオアベイラビリティ
データなし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
データなし
B/Pが得られていないためB/P=0.5を代用します。
分布容積(Vd)
- 19.43L
19.43(L) [健康成人男子 20 名、アゾセミド 20mg 単回投与(静注)](外国人データ)
(IF:P.18より)
Vd(b)=Vd/(B/P)=19.43/0.5=38.86
Vd(b)≦38.86より、細胞外分布型か分布中間型のどちらに該当するか判断はできません。
細胞内分布型の薬剤でないことだけはいえます。
全身クリアランス
- 89ml/min
CLtot:0.089(L/h/kg) [健康成人男子 20 名、アゾセミド 20mg 単回投与(静注)](外国人データ)
(IF:P.18より)
→89ml/min(60kgで計算)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- ―
健康成人男子 5 名にアゾセミド 60mg を経口投与したとき、投与 48 時間後までの尿中排泄率は4%、投与 72 時間後までの糞中排泄率は 71%であった
(IF:P.20より)
経口投与のデータであり、不確実性があるため特徴づけには適さないと判断しました。
抽出比
- ―
静注投与の尿中未変化体排泄率または腎クリアランスが不明のため計算できませんでした。
タンパク結合率
- 98.8%
<参考:in vitro>4%BSA ウシ標準血清アルブミンを使用して、臨床上併用する可能性の高い薬物での、アゾセミドに対する蛋白結合率への影響を検討した。アゾセミド(10μg/mL)単独での結合率は、98.8%であったが、蛋白結合率の高い薬物が共存する場合、アゾセミド結合率は低下する傾向を示した。(IF:P.18より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.988=0.012
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 2.6±0.2(h)
(IF:P.18より)
ダイアート®(アゾセミド)薬物動態情報まとめ
- Ae、ER、EH:特徴づけできず
- Vd(b)≦38.86→細胞外分布型or分布中間型の判別できず
- fuP=0.012→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:データなし
- 半減期:2.6時間(ループ利尿薬の中で一番長い)