尿酸排泄促進薬であるユリノーム®(ベンズブロマロン)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『ユリノーム®IF, 2022年1月(第6版)』のことです。
Contents
ユリノーム®(ベンズブロマロン)薬物動態情報
適応
下記の場合における高尿酸血症の改善
・痛風
・高尿酸血症を伴う高血圧症
用法用量
ユリノーム® 1回50mg 1日1~3回経口投与(50~150mg/day)
バイオアベイラビリティ
- 該当資料なし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- 該当資料なし
分布容積(Vd)
- 該当資料なし(IF:P.16より)
全身クリアランス(CL)
- 該当資料なし(IF:P.16より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
投与後72時間までの6-ヒドロキシ体の尿中排泄率は、投与量の約1.2%であった。また、投与後72時間まで、尿中に未変化体はほとんど検出されなかった。(IF:P.18より)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
クリアランスが不明のため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 96.3~98.3%(IF:P.17より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.963=0.037
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 未変化体:5.4±1.9時間
- 6-ヒドロキシ体:18.0±2.9時間
(IF:P.21より)
その他
- 警告:劇症肝炎
- 禁忌:肝障害、腎結石、高度腎機能障害
- ベンズブロマロン及びベンズブロマロンの主要代謝物である6-ヒドロキシ体は、URAT1 による尿酸の取込みを阻害し、尿酸の再吸収を抑制することにより、尿酸の尿中排泄を促進する。(URAT1:尿酸トランスポーター1)
- 主にCYP2C9 によって代謝される
- CYP2C9阻害作用をもつ
- IC50値:ベンズブロマロン0.035±0.003μmol/L、6-ヒドロキシ体0.20±0.06μmol/L(IF:P.17より)
阻害作用:ベンズブロマロン>6-ヒドロキシ体 - 外国人患者にベンズブロマロン製剤100mgを経口投与した結果、胆汁中に2種類のヒドロキシ体が検出されたとの報告がある(IF:P.17より)
ユリノーム®(ベンズブロマロン)薬物動態情報まとめ
ユリノーム®(ベンズブロマロン)の特徴
- 肝代謝型(+胆汁排泄)
- ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
- fuP=0.037→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:該当資料なし
- 半減期
・未変化体:5.4±1.9時間
・6-ヒドロキシ体:18.0±2.9時間 - CYP2C9により代謝
- CYP2C9阻害作用をもつ
- 警告:劇症肝炎
- 禁忌:肝障害、腎結石、高度腎機能障害