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薬剤師の“みや”です。
『薬の特徴や比較』、『循環器領域の薬物療法の考え方』、『論文の読み方のポイント』、『男性の育休取得時のポイント』などのテーマで記事を執筆しています。医療現場や日常生活で役立つ視点から、読者にわかりやすく、実用的な情報をお届けすることを心がけています。
【保存版】薬剤師のためのCDSR検索術―目的のCDSRを最短で見つけるために考えること―
はじめに
CDSR検索で、多くの薬剤師がつまずく理由
「CDSRを確認しよう」と思って検索してみたものの、
- 何もヒットしない
- 似たようなレビューがいくつも出てくる
- タイトルを見ても、どれが自分の疑問に合っているのか分からない
そんな経験はありませんか。
実は、CDSR検索でつまずく理由は、英語力や検索操作の問題ではありません。
多くの場合、原因はただ一つです。
『検索する前の考え方が整理されていない』
それだけです。
CDSRは、
「とりあえず検索して、良さそうなものを読む」
という使い方には向いていません。
この記事では、
CDSR検索を
“操作”ではなく“設計”として考える方法を、
新人・若手薬剤師向けに解説します。
記事の一番下にチェックリストあります。
※CDSRの活用方法はコチラの記事で解説しています。
CDSR検索は「操作」ではなく「設計」
CDSR検索というと、
- どんな英語で検索すればいいのか
- キーワードをどう組み合わせればいいのか
といった「操作」の話に意識が向きがちです。
しかし実際には、検索結果の8割は、検索を始める前に決まっています。
本当に重要なのは、「この臨床疑問に対して、どのようなシステマティックレビューが見つかれば“十分”なのか」を、検索前に言語化できているかどうかです。
ここが曖昧なまま検索を始めると、
- ヒットしても「この結果、使えるのか分からない」
- ヒットしなくても「検索に失敗した気がする」
という状態に陥りがちです。
CDSR検索は、探す作業ではありません。
見つかったレビューを、臨床に使えるかどうか選別する作業です。
検索前に考えるべきPICOの整理:いきなり検索しない
CDSR検索の前に、最低限整理しておきたいのが PICO です。
ただし、ここで大切なのは、完璧なPICOを作ろうとしないことです。
新人・若手薬剤師では、
- PICOをきれいに作ろうとして手が止まる
- 「これで合っているのか分からない」と検索に進めない
といったケースがよくあります。
CDSR検索に必要なのは、最低限のPICO です。
- P(患者):どんな患者を想定しているか
- I(介入):どの治療・薬剤について知りたいのか
- C(比較):あれば意識する程度でよい
- O(アウトカム):何を知りたいのか
この中でも、特に重要なのが『 O(アウトカム)』 です。
アウトカムが曖昧なまま検索してしまうと、CDSRがヒットしても、「結局、このレビューで何が分かったのか」を判断できません。
アウトカムは、検索結果を“読むための物差し” です。
目的のCDSRを最短で見つけるための基本ステップ
CDSR検索で重要なのは、一発で「正解」を引こうとしないことです。
検索は、「正解を当てにいく作業」ではなく、候補を出して、合うものを選ぶ作業です。
そのためにおすすめなのが、次の基本ステップです。
Step 1:広めのキーワードで検索する
最初から絞り込みすぎる必要はありません。
まずは、
- 疾患名
- 主要な介入(薬剤・治療)
この2つが入っていれば十分です。
ここで大切なのは、
『PICOと検索式は1対1ではない』
という考え方です。
PICOは「考えを整理するための枠組み」であり、
検索式は「候補を拾うための道具」です。
PICOのすべてを検索式に入れようとすると、
むしろ必要なCDSRを取り逃がします。
Step 2:タイトルとAbstractで方向性を確認する
次に、ヒットしたCDSRの
タイトルとAbstractをざっと確認します。
ここでは、細かく読み込む必要はありません。
- 対象患者は大きくズレていないか
- 介入は想定している治療と明らかに違わないか
この2点だけをチェックします。
この段階では、
「完璧に一致しているか」ではなく、
“方向性が合っているか” を見る意識で十分です。
Step 3:SoF表でアウトカムを確認する
最も重要なのが、このステップです。
『自分が知りたいアウトカムが、SoF(Summary of Findings)表に含まれているか』
ここが合っていれば、
患者背景や比較条件に多少のズレがあっても、
「使えるCDSR」である可能性は十分にあります。
逆に、
アウトカムが含まれていなければ、
どれだけ条件がきれいでも
「今回の臨床疑問には答えていない」レビューです。
アウトカムを1つに絞る練習
ここで一つ、意識してほしいことがあります。
最初から、知りたいアウトカムを1つに絞るということです。
- 有効性も
- 安全性も
- 予後も
すべてを一度に知ろうとすると、どのCDSRも「決め手に欠ける」ように見えてしまいます。
まずは、
「今回、一番知りたいのは何か?」
を1つだけ決めて、そのアウトカムが
SoF表に載っているかどうかを見てください。
目的のCDSRを最短で見つけるための基本ステップまとめ
- PICOは完璧でなくてよい
- 検索式は広く、判断は後で行う
- 最終的に見るべきは SoF表のアウトカム
この流れが身につくと、
CDSR検索は
「迷う作業」から「判断する作業」に変わります。
CDSR検索で「ヒットしない」よくある理由
CDSRがヒットしないとき、
多くの薬剤師はまずこう考えます。
「検索の仕方が悪いのでは?」
しかし、実際によくある理由は次のようなものです。
- そもそもCDSRが作られていないテーマ
(RCTが少なく、レビューが成立しない) - 疾患や介入がニッチすぎる
(特定のサブグループ、国内限定治療など) - アウトカムが限定的すぎる
(特定の検査値のみ、短期評価のみ など) - 過去に作られたが、更新が止まっている
つまり、ヒットしない=検索失敗ではありません。
むしろ、
「この臨床疑問は、CDSRで答えが出るタイプではない」
という重要な情報を得たと考えるべきです。
CDSR検索は、「答えを見つける」だけでなく、
“どこまで分かっていてどこから分かっていないか”を知る作業でもあります。
CDSRがない場合の次の一手:「ない」は失敗ではない
CDSRが見つからなかった場合、
次に取るべき行動は、実はかなり整理されています。
- 原著論文(特にRCT)を確認する
→ そもそも比較試験がどれくらい存在するのか - 他のシステマティックレビューを探す
→ Cochrane以外でまとめられていないか - ガイドラインを確認する
→ 推奨があれば、その根拠文献をたどる
ここで重要なのは、「CDSRがないから判断できない」ではなく、
「CDSRがないという前提で判断する」という考え方です。
CDSRが存在しないこと自体が、
- エビデンスがまだ集積していない
- 臨床判断の幅が大きい
というエビデンス状況を示す情報になります。
これは、医師や他職種に説明するときにも十分に価値のある情報です。
類似レビューの見分け方:どれを読むべきか迷ったとき
検索すると、似たようなCDSRが複数ヒットすることがあります。
その場合は、次のポイントを並べて比較します。
- 対象患者
(成人のみか、高齢者・小児を含むか) - 介入内容
(薬剤単独か、併用療法か) - 主要アウトカム
(死亡、イベント、症状改善、安全性 など) - 更新時期
(直近まで文献が含まれているか)
中でも最も重要なのが、
“SoF表のアウトカムが、自分の臨床疑問に合っているか”
です。
タイトルやAbstractが似ていても、
SoF表を見ると、
- 片方は「死亡率」を見ている
- もう片方は「検査値の変化」しか見ていない
といったように、「見ている世界がまったく違う」 ことは珍しくありません。
だからこそ、
「どれが一番新しいか」ではなく、
「どれが今の疑問に一番答えているか」
で選ぶことが重要です。
CDSRが古いときの考え方
CDSRは、必ずしも最新の情報を反映しているとは限りません。
ただし、次のような場合は、
更新が少し古くても十分に参考になることがあります。
- 治療概念が大きく変わっていない
- 新薬や決定的な新試験が出ていない
この場合、
CDSRは
「エビデンスの全体像を把握する資料」
として、今でも有用です。
一方で、
- 新薬が登場している
- 標準治療や治療戦略が変わっている
といった場合は、CDSRだけで判断するのは危険です。
そのようなときは、
『最新の代表的なRCTを1本確認する』
という使い方が、現実的で安全です。
CDSRで全体像をつかみ、不足する部分を最新RCTで補う。
これが、実臨床での賢い使い分けです。
+α.CDSR検索でやってはいけない3つのこと
最後に、CDSR検索でよくある“落とし穴”を整理します。
完璧なCDSRを探そうとする
CDSRは、臨床疑問に100%一致する答えを探すための文献ではありません。
多少のズレがあっても、アウトカムが合っていれば十分に使えるケースは多くあります。
ヒットしない=失敗と考える
CDSRがヒットしないこと自体が、
- エビデンスがまだ集まっていない
- 判断の余地が大きい
という重要な情報です。
「見つからなかった」ではなく、
「そういう状況だと分かった」
と捉えましょう。
検索結果を全部読もうとする
CDSR検索は、読む作業ではありません。選ぶ作業です。
SoF表でアウトカムを確認し、読むべきレビューだけを選びましょう。
実例で見るCDSR検索:DOACは肺塞栓症(PE)に使えるのか?
ここまで、CDSR検索の考え方や型を解説してきました。
この章では、実際のテーマを使ってCDSR検索を一通りやってみます。
題材は、『DOAC × 肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)』です。
Step 0:いきなり検索しない(まず設計)
まず考えるのは、「何を知りたいのか」です。
今回の臨床疑問は、次のように設定します。
肺塞栓症の治療において、
DOACは従来療法と比べて有効なのか?
ここで、アウトカムを1つに絞ります。
今回は「再発VTE(血栓塞栓症)」にフォーカスします。
最低限のPICOを考えてみましょう。
完璧に作る必要はありません。
- P(患者):肺塞栓症(PE)患者
- I(介入):DOAC
- C(比較):従来療法(ヘパリン+ワルファリンなど)
- O(アウトカム):再発VTE
この時点で、
「PEだけ? VTE全体?」
と悩みすぎる必要はありません。
Step 1:広めに検索する
Cochrane Library(CDSR)で、
次のようなシンプルなキーワードで検索します。
- direct oral anticoagulants
- pulmonary embolism
ここでは、PICOすべてを検索式に入れません。
『PICOと検索式は1対1ではない』
という考え方を思い出してください。
Step1-2:絞り込みのための検索を行う
Step 1では、用語を広めに設定し、関連するCDSRをできるだけ漏れなく拾うことを目的に検索しました。
ただし、その結果、
- ヒット数が多すぎる
- 明らかに主題ではなさそうなレビューが混ざる
といった状況になることも少なくありません。
そこで次に行うのが、絞り込みのための検索です。
実際に検索してみます。(2026年3月検索時点)
検索窓を「All text」でdirect oral anticoagulantsと検索すると274報ヒットします。

検索窓を「Title Abstract Keyword」に設定して以下のキーワードを入力して検索してみます。
direct oral anticoagulantsだと25報、

“direct oral anticoagulants”だと13報

となりました。
また、
pulmonary embolismだと104報、
“pulmonary embolism”だと102報、
direct oral anticoagulants pulmonary embolismだと15報、
“direct oral anticoagulants” “pulmonary embolism”だと10報
という結果でした。
後で説明していますが、ここででてくる『“ ”』をダブルクォーテーションといいます。
Step2:タイトルとAbstractで方向性を見る
検索すると、
次のようなCDSRがヒットします。
- PE単独を対象としたレビュー
- VTE(DVT+PE)全体を対象としたレビュー
ここでやりがちなのが、
「PEじゃないから除外しよう」と判断することです。
しかし今回は、
アウトカムが「再発VTE」なので、
VTE全体を対象としたレビューも
十分に候補になります。
この段階では、『切り捨てず、候補として残す』が正解です。
Step3:SoF表で最終判断する
次に、各CDSRの
SoF(Summary of Findings)表を確認します。
ここで見るポイントは1つだけです。
『自分が知りたいアウトカムが含まれているか』
今回なら、
- 再発VTE
- PE再発
- 重大出血(副次的アウトカムとして)
がSoF表に含まれているかを確認します。
仮に、
- タイトルはPEっぽい
- しかしSoF表は「出血」しか見ていない
というCDSRがあれば、それは今回の疑問には合っていません。
逆に、
- 対象はVTE全体
- しかし再発VTEが主要アウトカムに含まれている
CDSRであれば、『今回の臨床疑問に「使える」レビュー』と判断できます。
「CDSRが古い」と感じたときの考え方
DOAC × PEのCDSRは、更新がやや古いものもあります。
ここで重要なのは、
「古い=使えない」と即断しないことです。
- 治療概念は現在も大きく変わっていない
- 主要な第Ⅲ相RCTはすでに含まれている
この場合、CDSRは全体像を把握する目的では十分に有用です。
一方で、
- その後に新しいDOAC
- 新たな代表的RCT
が出ている場合は、最新の代表的RCTを1本だけ追加で確認するという使い方が現実的です。
今回の例から分かること
このDOAC × PEの例で、
CDSR検索のポイントは次の通りです。
- 検索前にアウトカムを1つ決める
- 最初から絞り込みすぎない
- タイトルではなくSoF表で判断する
- CDSRが古ければ、最新RCTで補う
CDSR検索は、「正解の文献を当てる作業」ではありません。
今の臨床疑問に、どこまで分かっているかを整理する作業です。
この型を身につければ、
DOAC × PE以外のテーマでも
同じ考え方で検索できるようになります。
検索範囲を「Title Abstract Keyword」に設定するメリット
CDSRで検索する際、今回は検索範囲を
「Title Abstract Keyword」 に設定しました。
これは「なんとなく」ではなく、意図的な選択です。
CDSRの“主題”に絞って検索できる
Title、Abstract、Keywordは、
- 論文やレビューの主題そのもの
- 著者が「この研究は何についてのものか」を示す部分
です。
ここに direct oral anticoagulants や pulmonary embolism が含まれているということは、
そのCDSRが、DOAC×PEを主テーマとして扱っている可能性が高い、という意味になります。
一方で、本文(Full text)まで含めて検索すると、
- 参考文献として一度だけ出てきた
- Backgroundで少し触れただけ
といった、主題とは言いにくいレビューまでヒットしてしまいます。
“主題”に絞って検索すると「主題を扱っているCDSR」だけを拾いやすいのが最大のメリットです。
ノイズを減らし、検索結果を読みやすくできる
CDSRは1本あたりの文章量が多く、
全文検索にするとヒット数が一気に増えます。
Title Abstract Keywordに限定すると、
- 検索結果の数が適度に絞られる
- 一覧を見たときに「読む価値があるか」を判断しやすい
という利点があります。
特に、『検索 → 候補』をざっと眺めるという初動フェーズでは、ノイズが少ないことが大きなメリットになります。
クォート検索との相性が良い
今回のように、
- “direct oral anticoagulants”
- “pulmonary embolism”
といったフレーズ検索を使う場合、Title Abstract Keywordに限定することで、
- 表現がそのまま使われているレビュー
- 用語の定義を意識して書かれているレビュー
を効率よく抽出できます。
用語をどう使っているCDSRかを見たいときに相性が良い設定です。
CDSRの読み方と自然につながる
CDSRを読むとき、
- Title
- Abstract
- PICOs
- SoF表
から入ることが多いのは、これまでの記事で述べてきた通りです。
検索段階から「あとで読む場所」と同じ領域を対象にしているため、
『検索 → 選定 → 読解』の流れが自然につながります。
いつ全文検索に切り替えるか
Title Abstract Keyword検索で、
- ヒット数が少なすぎる
- 想定していたCDSRが見つからない
場合に限り、Full text検索に広げるのがおすすめです。
最初から全文検索にしないことで、
「探すのが大変」
「何を見ればいいかわからない」
という状態を避けることができます。
検索範囲を「Title Abstract Keyword」に設定するメリットまとめ
Title Abstract Keywordを選ぶメリットは、
- CDSRの主題に直結したレビューを拾いやすい
- ノイズが少なく、検索結果を評価しやすい
- フレーズ検索との相性が良い
- 検索から読解までの流れが一貫する
という点にあります。
CDSR検索では、
まずは Title Abstract Keyword
足りなければ Full text
この順番が、実務的で再現性の高い方法です。
ダブルクォーテーション(" ")とは
ダブルクォーテーション(" ")を付けるかどうかで、
「検索エンジンが単語をどう扱うか」が変わります。
これは CDSR検索(というより文献検索全般)では超重要だけど、意外と説明されないポイントです。
「direct oral anticoagulants」で検索した場合
クォーテーションを付けない検索は、単語ベース検索です。
検索エンジンは、
- direct
- oral
- anticoagulants
をそれぞれ独立した語として解釈します。
何が起きるかというと「3語すべてを含む文献」または一部の語を含む文献が広くヒットします。
例えば、
- oral anticoagulants
- direct thrombin inhibitors
- anticoagulants for oral use
のように、「direct oral anticoagulants」という表現がそのまま書かれていなくても、関連しそうな文献が拾われます。
クォーテーションなしで検索時の特徴
✅ 検索範囲が広い
✅ 抜け漏れは少ない
❌ ノイズ(関係ない文献)が増えやすい
👉 最初の探索(網羅的検索)向き
“direct oral anticoagulants” で検索した場合
ダブルクォーテーションを付けると、検索エンジンはこれを「ひとつのフレーズ」として扱います。
つまり、“direct oral anticoagulants”という語順・表現がそのまま連続して出てくる文献だけを検索します。
何が起きるかというと
- 「direct oral anticoagulants」と明記されている論文のみヒット
- 表現が少し違う文献は除外される
「direct-acting oral anticoagulants」、「DOACs」、「non–vitamin K antagonist oral anticoagulants(NOAC)」などの別の表現で記載された文献は拾われない可能性があります。
クォーテーションありで検索時の特徴
✅ ノイズが少ない
✅ 意図した概念にピンポイントで当たる
❌ 表記揺れに弱い
❌ 網羅性は下がる
👉 絞り込み・確認フェーズ向き
CDSR検索での使い分け(実務的まとめ)
CDSRを検索するときは、段階的に使い分けるのが現実的です。
① まずはクォートなしで検索
direct oral anticoagulants AND pulmonary embolism
- 連するCDSRを広く拾う
- 用語の使われ方を把握する
② 候補が多い場合にクォート付きで絞る
“direct oral anticoagulants” AND pulmonary embolism
- 「DOAC」という概念を明確に扱ったレビューに限定
- ノイズ除去目的
重要な注意点
クォート付き検索は「正確」ですが、「完全」ではありません。
CDSRやシステマティックレビューでは、
- DOACs
- direct-acting oral anticoagulants
- NOACs
といった別表現が使われることも多いため、
クォート付き検索だけに頼ると、
「存在しているはずのレビューを見逃す」
ことが起こりうるので注意が必要です。
おわりに:CDSR検索は「慣れ」ではなく「考え方」
CDSR検索は、英語力や経験年数で決まるものではありません。
重要なのは、
- 何を知りたいのか
- どこまで分かれば十分なのか
を、検索前に考えられるかどうかです。
この「考え方」が整理できていれば、
検索操作そのものは、自然とシンプルになります。
CDSRは、「一部の使える人」だけの特別なツールではありません。
最初は、アウトカムを1つ決めることからで構いません。
SoF表を見るだけでも十分です。
その一歩を繰り返すことで、CDSR検索は「難しい作業」から臨床判断を支える武器に変わっていきます。
CDSR検索のチェックリスト
- 検索前(設計)
☐ 今回の臨床疑問を一文で言える
☐ 知りたいアウトカムを1つ決めた
☐ 完璧なPICOを作ろうとしていない
- 検索(拾う)
☐ 疾患名+主要な介入で広く検索した
☐ ANDを使いすぎていない
☐ 「疾患限定」などで早く絞りすぎていない
- 候補の選別
☐ タイトル・Abstractで方向性だけ確認した
☐ 似たCDSRを切り捨てずに残した
- 最終判断
☐ SoF表に、知りたいアウトカムが含まれている
☐ 条件が100%一致しなくても、使える可能性を考えた
☐ 古い場合は、最新RCTで補うか検討した
- ヒットしなかったとき
☐ 「検索失敗」と決めつけていない
☐ CDSRがないこと自体を情報として整理した
☐ 次の一手(RCT・他レビュー・GL)を考えた
このチェックリストは、全部を毎回守るためのものではありません。
迷ったときに戻ってくる「型」として使ってください。








