HMG-CoA還元酵素阻害薬であるローコール®(フルバスタチン)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。
HMG-CoA還元酵素阻害薬はLDL-コレステロールを低下させる薬剤です。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
また、記事中のIFは『ローコール®IF, 2021年10月(第11版)』をさしています。
Contents
ローコール®(フルバスタチン)薬物動態情報
用法用量
ローコール® 1日1回20~30mg(MAX60mg)
バイオアベイラビリティ
- 絶対バイオアベイラビリティ29%
(IF:P.21より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
資料なし
分布容積(Vd)
- 経口投与時の分布容積(Vdss/F):237L
(IF:P.21より)
経口投与時の分布容積のため、Vd(b)不明
全身クリアランス
- 経口投与時のクリアランス(CL/F):158L/h
(IF:P.21より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
尿中では未変化体はほとんど検出されない(IF:P.25より)ことから肝代謝型の薬剤と考えられます。
抽出比
資料なし
タンパク結合率
- 血漿蛋白結合率 98%以上
(IF:P.21より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.98=0.02
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 1.32hr
(IF:P.18より)
その他
- CYP2C9代謝(+)→CYP2C9阻害作用を持つ薬剤との併用に注意
ローコール®(フルバスタチン)薬物動態情報まとめ
ローコール®(フルバスタチン)の特徴
- 肝代謝型
- ER、EH、Vd:情報なし
- fuP<0.02→タンパク結合依存型(fuP<0.2)
- バイオアベイラビリティ:29%
- 半減期:1.32時間
- CYP2C9阻害作用を持つ薬剤に影響を受ける