SGLT2阻害薬は尿に糖を出すことで血糖を下げる薬です。
SGLT2阻害薬は現在6薬剤発売されています。
今回はその中の1つである、ルセフィ®(ルセオグリフロジン)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『ルセフィ®IF, 2022年2月(第13版)』のことです。
Contents
ルセフィ®(ルセオグリフロジン)薬物動態情報
用法用量
- 2型糖尿病
ルセオグリフロジン 1回2.5mg 1日1回 食後or食前 経口投与
効果不十分時は1回5mgに増量可
バイオアベイラビリティ
- データなし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- 血球移行率(平均値)4.8~6.9 %
(ルセフィ®錠審査報告書, 平成26年1月28日, 審査報告(1)P.32より)
血球移行率6%で計算します。
血漿分布率=1-0.06=0.94
B/P=全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度・(1-Ht)とHt=0.5より
B/P=1/0.94・(1-0.5)=0.53
分布容積(Vd)
- 見かけの分布容積(Vd/F)は41.3±6.43L(IF:P.67より)
見かけの分布容積であり、特徴づけに用いることはできませんでした。
全身クリアランス
- 見かけの全身クリアランス(CL/F) 2.56±0.423L/h
(IF:P.67より)
見かけのクリアランスであり、特徴づけに用いることはできませんでした。
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 4.47±0.754%(72時間)(IF:P.71より)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
見かけのクリアランスのため、特徴づけを行うことはできませんでした。
タンパク結合率
- 96.0~96.3%(IF:P.69より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.96=0.04
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 10.1±0.951時間
(IF:P.62より)
ルセフィ®(ルセオグリフロジン)薬物動態情報まとめ
ルセフィ®(ルセオグリフロジン)の特徴
- 適応:2型糖尿病
- Ae:4.47%→肝代謝型(Ae≦30)
- Vd(b)、ER、EH:特徴づけ不可
- fuP:0.04→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:データなし
- 半減期:10.1時間