ジルテック®(セチリジン)薬物動態情報
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抗アレルギー薬である第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬ジルテック®(セチリジン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『ジルテック®IF, 2023年3月(第18版)』のことです。

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ジルテック®(セチリジン)薬物動態情報

適応

〈成人〉
〇アレルギー性鼻炎
〇蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症

〈小児〉
〇アレルギー性鼻炎
〇蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法用量

〈成人〉
ジルテック® 1回10mg 1日1回 就寝前 経口投与(最大20mg)

【クレアチニンクリアランス(ml/min)による用量調節】
≧80:10mg 1日1回
50~79:10mg 1日1回
30~49:5mg 1日1回
10~29:5mg 隔日

〈7歳以上15歳未満の小児〉
ジルテック® 1回5mg 1日2回 朝食後・就寝前 経口投与

〈2歳以上7歳未満の小児〉(ドライシロップのみ)
ジルテック® 1回2.5mg 1日2回 朝食後・就寝前 経口投与

バイオアベイラビリティ

  • 推定70%以上(IF:P.38より)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

該当資料なし

分布容積(Vd)

  • 健康成人10mg 単回経口投与:0.50±0.07L/kg(IF:P.37より)

体重60kgの場合、
Vd=30L

見かけの分布容積のため特徴付けはできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • 健康成人10mg 単回経口投与:87.10±6.17mL/min(IF:P.36より)

単位変換して、5.22L/hrとなります。

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 71%以上

尿中未変化体排泄率50.6~52.0%(24時間)(IF:P.36より)

半減期約7時間であり、半減期×4(28時間)未満と測定時間が不足しています。
約50%/約70%=約71%
測定時間が不足しているので少なくとも71%以上になります。

Ae≧70より腎排泄型の薬剤といえます。

抽出比

みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。

タンパク結合率

  • 平均92%(IF:P.39より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.92=0.08
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 約7時間(IF:P.33より)

その他

  • 透析除去:約10%(IF:P.41より)
  • 〈禁忌〉重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス10mL/min 未満)のある患者
  •  脳内ヒスタミンH1 受容体占拠率:約13%1)(図より読み取り)(20%以下→非鎮静性
  • 〈重要な基本的注意〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。→自動車運転不可
  • AU TGA pregnancy category:B2
  • US FDA pregnancy category:Not formally assigned to a pregnancy category.

ジルテック®(セチリジン)薬物動態情報まとめ

ジルテック®(セチリジン)の特徴
  • 腎排泄型
  • ER、EH、Vd(b):特徴づけ不可
  • fuP=0.08→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
  • バイオアベイラビリティ:70%以上
  • 半減期:約7時間
  • 透析除去:約10%
  • 非鎮静性
  • 自動車運転不可
  • AU TGA pregnancy category:B2
  • US FDA pregnancy category:Not formally assigned to a pregnancy category.

 

参考資料
    1. 谷内一彦:薬理作用から見た理想的な抗ヒスタミン薬治療.日耳鼻 2020;123:196-204.

 

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