セララ®(エプレレノン)薬物動態情報
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セララ®(エプレレノン)はミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)のひとつで、高血圧や標準治療を受けている慢性心不全に用いられます。スピロノラクトンと比べ、女性化乳房が少ない薬剤です。

ではエプレレノンの薬物動態情報を見ていきましょう。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

また本記事中のIFは『セララ®IF, 2021年9月(第1版)』のことです。

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セララ®(エプレレノン)薬物動態情報

用法用量

〈高血圧症〉
エプレレノン 1日1回50mg(効果不十分な場合は100mgまで増量可)

〈慢性心不全〉
エプレレノン 1日1回25mgから投与を開始
血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する。

・中等度の腎機能障害:クレアチニンクリアランス(CLCr)30~50mL/min
・血清カリウム値:5.5~5.9mg/dL→1段階減量、6mg/dL以上→中断

バイオアベイラビリティ

  • 69%(IF:P.19より)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • データなし

分布容積(Vd)

  • Vd/F:45.5L(IF:P.68より)

みかけの分布容積であり、参考値として扱います。

全身クリアランス

  • CL/F:5.6L/hr(IF:P.68より)

経口クリアランスのため、参考値として扱います。

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 2.5%未満

168 時間までに回収された放射能は98.5%であった。総放射能として尿中及び糞中に排泄された割合はそれぞれ投与放射能の66.6%、32.0%であった。投与量の2.5%が未変化体として尿糞中に回収された。(IF:P.75より)

Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。

抽出比

得られたクリアランスが経口クリアランスのため、特徴づけできません。

タンパク結合率

  • 11.5%以下

エプレレノンの結合蛋白質は血清アルブミン及びα1-酸性糖蛋白質であり、それぞれの平均蛋白結合率は11.5 及び53.7%以下(IF:P.72より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。

血漿中遊離形率(fuP)=1-0.115=0.885

fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 3.0~5.0時間(IF:P.61より)

その他

  • ステロイド骨格をもつ
  • アルドステロンの競合的選択的阻害薬
  • エプレレノンの鉱質コルチコイド受容体に対する親和性は、スピロノラクトンと比較して1/20 程度
  • スピロノラクトンと比較し女性化乳房の発生率は低い
  • 禁忌:CLCr30mL/min未満

セララ®(エプレレノン)薬物動態情報まとめ

セララ®(エプレレノン)の特徴
  • Ae:2.5%未満→肝代謝型(Ae≦30)
  • 分布容積、抽出比:特徴づけできず
  • fuP:0.885→タンパク結合非依存型
  • バイオアベイラビリティ:69%
  • 半減期:3.0~5.0時間
  • 禁忌:CLCr30mL/min未満

 

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