アシノン®(ニザチジン)薬物動態情報
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胃酸分泌抑制薬であるH2ブロッカーのアシノン®(ニザチジン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『アシノン®IF, 2020年10月(第5版)』のことです。

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アシノン®(ニザチジン)薬物動態情報

適応

○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎

○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

用法用量

〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍〉
ニザチジン1回150mg 1日2 回(朝食後、就寝前)経口投与。または1回300mg 1日1回(就寝前)経口投与。

〈逆流性食道炎〉
ニザチジン1回150mg 1日2回(朝食後、就寝前)経口投与。

〈下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善・急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期〉
ニザチジン1回75mg 1日2回(朝食後、就寝前)経口投与。

バイオアベイラビリティ

  • 98%

米国人に対するニザチジン150mgの静脈内及び経口投与のAUCより得られたバイオアベイラビリティは98%±14%(IF:P.21より)

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • 該当資料なし

分布容積(Vd)

  • 92.23~104.86L(IF:P.20より)

経口投与でのデータであり、特徴づけに用いることはできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • 43.89~52.09L/hr(IF:P.20より)
    (経口投与のデータ)

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 62.8~64.9%(IF:P.22より)

Ae=30~70%より腎・肝混合型(中間型)で腎排泄型寄りの薬剤といえます。

IFの『排泄』の項目には「主に腎排泄」と記載あり。

抽出比

みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。

タンパク結合率

23.9~45.4%(in vitro)(IF:P.21より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。

血漿中遊離形率(fuP)=1-0.454=0.546
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 1.22~1.58hr(IF:P.22より)

その他

  • 透析除去率:約10%(IF:P.23より)

アシノン®(ニザチジン)薬物動態情報まとめ

アシノン®(ニザチジン)の特徴
  • Ae:65%→腎・肝中間型(30<Ae<70)
  • ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
  • fuP:0.546→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
  • バイオアベイラビリティ:98%
  • 半減期:1.22~1.58時間
  • 透析除去率:約10%

 

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