オノアクト®(ランジオロール)薬物動態情報
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Vaughan Williams分類Ⅱ群に分類されるオノアクト®(ランジオロール)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『オノアクト®点滴静注用IF, 2020年6月(第12版)』のことです。

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オノアクト®(ランジオロール)薬物動態情報

適応と用法用量

  • 手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
    心房細動、心房粗動、洞性頻脈
  • 手術後の循環動態監視下における下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
    心房細動、心房粗動、洞性頻脈
  • 心機能低下例における下記の頻脈性不整脈:
    心房細動、心房粗動
  • 生命に危険のある下記の不整脈で難治性かつ緊急を要する場合:
    心室細動、血行動態不安定な心室頻拍
  • 敗血症に伴う下記の頻脈性不整脈:
    心房細動、心房粗動、洞性頻脈

バイオアベイラビリティ

  • 点滴静注用であり該当しない

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • 該当資料なし

B/Pが得られていないためB/P=0.5を代用します。

分布容積(Vd)

  • 242mL/kg
    (IF:P.64より)

体重60kgの場合、またLに単位変換すると、
Vd=14.52L

Vd(b)≦Vd/(B/P)=14.52/0.5
Vd(b)≦29.04L

Vd(b)≦20(細胞外分布型)、Vd(b)=20~50(分布中間型)の可能性があり特徴づけできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • 41.8ml/min/kg
    (IF:P.64より)

体重60kgの場合、CL=2508ml/min

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 8.7%(4時間後までのデータ)
    (IF:P.68より)

Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。

腎クリアランス(CLR)=CL×Ae=2508×0.087=218.2ml/min
肝クリアランス(CLH)=CL-CLR=2508-218.2=2289.8ml/min

抽出比

  • 肝抽出比
    EH≦CLH(ml/min)/(B/P)/QH(ml)=2289.8/0.5/1600
    EH≦2.86

EH<0.3(消失能依存型)、0.3≦EH≦0.7(中間型)、EH>0.7(血流速度依存型)すべての可能性があり特徴づけできませんでした。

タンパク結合率

  • 1.5~7.0%
    (IF:P.66より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.07=0.93
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 3.96min
    (IF:P.62より)

その他

  • 治療上有効な血中濃度:該当資料なし
  • 透析除去率:該当資料なし
  • ヒト肝臓における主代謝酵素はカルボキシエステラーゼ、ヒト血漿中における主代謝酵素は擬コリンエステラーゼであると推定された(IF:P.66より)

オノアクト®(ランジオロール)薬物動態情報まとめ

オノアクト®(ランジオロール)の特徴
  • Vaughan Williams分類:Ⅱ群
  • Ae=8.7%→肝代謝型(Ae≦30)
  • EH≦2.86→特徴づけ不可
  • Vd(b)≦29.04L→特徴づけ不可
  • fuP=0.93→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
  • バイオアベイラビリティ:点滴静注用のため該当しない
  • 半減期:3.96min
  • 主にエステラーゼにより代謝される
  • 治療上有効な血中濃度:該当資料なし
  • 透析除去率:該当資料なし

 

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