HMG-CoA還元酵素阻害薬であるリバロ®(ピタバスタチン)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。
HMG-CoA還元酵素阻害薬はLDL-コレステロールを低下させる薬剤です。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
また、本記事中のIFは『リバロ®IF, 2021年11月作成(第32版)』をさしています。
Contents
リバロ®(ピタバスタチン)薬物動態情報
用法用量
リバロ® 1日1回1~2mg(MAX4mg)
バイオアベイラビリティ
- 約 60%(初回通過代謝モデルを用いた推定値)
(IF:P.47より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
該当資料なし
分布容積(Vd)
該当資料なし
全身クリアランス
該当資料なし
尿中未変化体排泄率(Ae)
尿中へはほとんど排泄されず、胆汁を介して排泄されると考えられる
(IF:P.54より)
上記より、肝代謝型の薬剤と考えられます。
抽出比
―(クリアランスが不明のため計算できず)
タンパク結合率
- 99%以上(4%ヒト血清アルブミンで 99.5~99.6%、0.06%ヒト α1酸性糖蛋白で 94.3~94.9%)
(IF:P.51より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.99=0.01
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- T1/2β:2.5~3.4hr
(IF:P.42より)
その他
- UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼにより代謝される
- CYP3A4では代謝されない
- CYP2C9でわずかに代謝されるが、影響は小さいことからCYP2C9を阻害する薬物の影響は受けない
リバロ®(ピタバスタチン)薬物動態情報まとめ
リバロ®(ピタバスタチン)の特徴
- 肝代謝型と考えられる
- ER、EH、Vd→分類不能
- fuP=0.01→タンパク結合依存型(fuP<0.2)
- バイオアベイラビリティ:99%以上
- 半減期:2.5~3.4時間
- UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼにより代謝
- CYP3A4、2C9阻害作用のある薬剤の影響を受けない