Vaughan Williams分類Ⅱ群に分類されるナディック®(ナドロール)の薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『ナディック®IF, 2022年4月(第13版)』のことです。
Contents
ナディック®(ナドロール)薬物動態情報
適応
本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈
用法用量
ナディック® 1回30~60mg 1日1回経口投与
バイオアベイラビリティ
- 該当資料なし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- 該当資料なし
分布容積(Vd)
- V/f=549L
(IF:P.11より)
経口投与で得られたデータでみかけの分布容積であり、特徴づけに用いることはできませんでした。
全身クリアランス(CL)
- 該当資料なし
(IF:P.18より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 11.5~14.1%(72時間)
(IF:P.12より)
ヒトでの消化管吸収率は低いが、吸収量のほとんどが、全身循環血中に入り、代謝されることなくそのまま尿中に排泄される。(IF:P.11より)
記載より腎排泄型の薬剤といえます。
抽出比
全身クリアランスが不明のため、抽出比を算出し特徴付けを行うことはできませんでした。
タンパク結合率
- 23.9%
(IF:P.11より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.239=0.761
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。
半減期
- 18.6~19.6時間
(IF:P.10より)
その他
- 治療上有効な血中濃度:該当資料なし
- 透析除去率:75%
- 血液透析開始4時間前に80mgを1回経口投与し、6時間透析を施行したときの動脈-静脈血中ナドロール濃度差は、動脈血中濃度の25%(IF:P.12より)
ナディック®(ナドロール)薬物動態情報まとめ
ナディック®(ナドロール)の特徴
- Vaughan Williams分類:Ⅱ群
- 腎排泄型(吸収された薬物のほとんどは未変化体として尿中に排泄される)
- ER・EH・Vd(b)→特徴づけ不可
- fuP=0.761→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
- バイオアベイラビリティ:該当資料なし(消化管吸収率は低い)
- 半減期:18.6~19.6時間
- 体内で代謝されない
- 治療上有効な血中濃度:該当資料なし
- 透析除去率:75%