ワーファリンとDOACの違いは?メリット、デメリットは?
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ワーファリンと直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の違いって何でしょうか?

また、それぞれ選択するメリット、デメリットって何でしょうか。

DOACの登場によりワーファリンが使用されるケースも減ったと思いますが、

薬の特徴や患者背景により選択される薬剤が変わってきますので、

これらの抗凝固薬を選択するメリット・デメリット(注意点)はしっかり把握しておきましょう。

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ワーファリンと直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の違い

ワーファリンはビタミン K 拮抗薬(vitamin K antagonist:VKA)であり、ビタミンK摂取により薬の効果に影響が出てきます。

それに対し直接作用型経口抗凝固薬(DOAC) はトロンビンや Xa 因子を選択的に阻害することで抗凝固作用を示すため、ワーファリンと異なり食事による影響がありません。

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC) にはトロンビンを選択的に阻害するダビガトランと、Xa 因子を選択的に阻害するリバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンがあります。

各DOACの比較についてはコチラの記事をご参照ください。

ワーファリンと直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)のメリット、デメリット

ワーファリンのメリット

  • 薬剤費が安い
  • 薬の効果を確認できる指標(INR)がある
  • 腎機能が低下していても使用できる

ワーファリンのデメリット

  • 治療域/安全域が狭い
  • 必要投与量に個人差がある
  • 採血検査を頻回に行う可能性がある
  • ビタミンK摂取により効果が減弱する(納豆・青汁・クロレラ摂取禁)
  • 半減期が長い(増量や中止をしてもINRが変動するまで数日かかる)
  • 相互作用が多い

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)のメリット

  • 有効血中濃度到達時間まで早い
  • 半減期がみじかい(術前の休薬期間がみじかくて済む)
  • ビタミンK摂取により効果の影響を受けない

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)のデメリット

  • 薬剤費がワーファリンに比べて高い
  • 腎機能が低下していると使用できない

ワーファリンとDOACの薬価比較

薬価についてメリット・デメリットに記載しているので、実際にどのくらい異なるのか見てみましょう。

非弁膜症性心房細動に対する通常量での1日薬価比較(ワーファリンは3mgとして)
  • ワーファリン1mg 1日3錠:9.8円×3錠=29.4円
  • プラザキサ75mg 1日4カプセル:136.9円×4カプセル=547.6円
  • イグザレルト15mg 1日1錠:505.6円
  • エリキュース5mg 1日2錠:236.6円×2錠=473.2円
  • リクシアナ60mg 1日1錠:416.8円

(2021年4月薬価)

    DOACの中でも1日薬価が一番安いリクシアナでもワーファリンの約14倍と高いです。

    DOACの中でも薬価差は思ったよりありました。

     

    安い順に並べると

    ワーファリン≪リクシアナ<エリキュース<イグザレルト<プラザキサ

    となりますね。

    ワーファリンとDOACのメリット・デメリットまとめ

    上の表にまとめました。

    非弁膜症性心房細動では高度腎機能低下患者で禁忌に該当しないかぎり、

    まずはDOACから開始することが多いと思います。

    ワーファリンでもDOACでも、どちらを選択しても患者さん自身が納得して処方されているのであればそれでOKです。

    一番重要なのは脳梗塞などを起こさないこと大出血など有害事象を起こさないことです。

    当然と言えば当然ですよね。

    あとは患者背景に合わせて適切な薬剤、用量を選択することが重要ですね。

    薬剤師として薬剤の特徴、メリット・デメリットは把握しておきましょう。

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