【男性の育児休業】制度・期間・給付金をわかりやすく解説!
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この記事のまとめ
  • 育児休業期間中は、給与が支払われないことが多い。
  • 育児休業期間中は、給与の代わりに「育児休業給付金」が雇用保険から支給される。
  • 育児休業給付金は、育休開始から6カ月(180日)は休業前給与の67%、それ以降は50%支給される。
  • 育児休業期間中は、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料が免除になる。
  • 給付金や免除などを含めると、休業前の月収の約8割をカバーすることが可能。
  • 2023年11月、政府は産後一定期間に夫婦ともに育休を取得した場合、休業前の賃金とほぼ同額の給付金を受けられるようにする方針であることを発表している。

育児休業を取得するためにまずは制度・期間・給付金について理解しましょう。
(※この記事は実際に育休を取得した経験を元に記載しています。)

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【男性の育児休業】制度・期間・給付金をわかりやすく解説!

男性の育児休業(育休)の取得率・取得期間

男性の育児休業(育休)取得率ってまだまだ低いですよね。

育児休業取得者の割合は増えてきたとはいえ、女性80.2%(令和3年度85.1%)にたいし、男性17.13%(令和3年度13.97%)でした。(厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」

また男性育休取得率の高い従業員1,000人超企業でも、男性育休等取得率は46.2%、男性の育休等平均取得日数は46.5日と取得していても取得期間が短いことが分かります。(厚生労働省「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」(2023年7月31日速報値)、従業員1,000人超企業のうち、3月末決算の企業の約9割が6月中に公表が完了予定)

私の職場は私が今回取得するまで、男性育休は1ヶ月程度の取得が1人、その他は有休消化等での代用で1ヶ月程度が数名(過去の私含む)いるのみで、男性育休にたいしては正直進んでいる職場ではありません。

今回の育休取得が、私の職場でも良い前例として長期間の男性育休取得が普通になってくれればいいなと思いますね。

まずは前例がないなかで長期間の男性育休を取得しようと考えたのか記載します。

なぜ育児休業(育休)を取得しようと思ったのか

今回第2子出産に伴い、育休を取得しました。

1番の理由は子どもと「たくさん過ごしたい」からです。働けばお金は手に入るかもしれませんが、将来もっと子どもと過ごせばよかったなと思ってもその時間はいくらお金を払っても手に入りません。(育休を取得した結果、妻の負担やストレスも減って、イライラも減ってくれれば自分も嫌な思いをすることが減ると思いますよ。ほんとに。)

約5年前、第1子のときも取得したかったのですが、上司の圧力(うまく言いくるめられた?)もあり…有休を取得して代用しました。そのときは収入が減るのも少し困ると考えていたので諦めました(まぁ今も困らないわけではないですが…笑)。

しかししかし、収入の心配な方にも朗報です。当時は認められていなかったですが、現在では育休中に就業する「半育休」という働き方もあります。

頑張って働いて、家でも家事育児…となると疲弊する未来が見えます。収入が増えるのであればとも思いますが、収入を維持するためには現在と同程度の残業が必要になります。ですが育休を取得すると、給付金で育休前収入の約80%程度が得られます。

また上の子の保育園送り迎えをするために時短勤務にしようと考えていたのですが、時短勤務で働くのと、育休を取得するのでは、私の場合は手取り収入は育休取得の方が多くなりました。働いて収入が減るなんてね(笑)育休をとらない理由がなくなりますよね。

さらに「半育休」を活用すれば少しだけ働いてさらに収入を増やすなんてこともできます。

収入が減ることが心配な男性には「半育休」という働き方がオススメです!

→「半育休」については『【男性育休】新しい育休の取り方!半育休をオススメする3つの理由と注意事項』を参照してください!

 

実際に、育児休業取得中の身ですが、子どもが2人いると、育児休業を取得して良かったなと思いますね。

やってみて実感することですが、1人と2人では全然違う(笑)

 

では男性の育児休業について制度・期間・給付金についてみていきましょう。

育児休業制度

育児休業

男性の場合、配偶者の出産予定日から子どもが1歳になる誕生日の前日まで育休を取得できます。ただし、その期間中は就業規則上、無給としている企業が多くなっています。

しかしながら、雇用保険に加入している人であれば、条件を満たしていれば育児休業給付金を受給することができます。

ここで注意してほしいのが、フリーランスなど雇用保険に加入していない人は育児休業給付金をもらえないという点です。そもそもフリーランスの場合は育休の制度自体がないので、給付金についても同じことがいえるのです。

産後パパ育休制度

「産後パパ育休(出生時育児休業)」とは、男性が子どもの出生日から8週間以内に、最長4週間の育休をとれる制度(2回の分割取得も可能)。

「育児・介護休業法」が改正されたことで、女性の産休(産後休業)に該当する「産後パパ育休」が2022年10月に新設されました。子どもが1歳になるまで取得できる「育児休業」とは別に休業を取得できます。

パパママ育休プラス

パパママのどちらも育休を取得する場合、本来「子供が1歳になる誕生日の前日」までに復帰しなければならないところ、復帰のタイミングを「子供が1歳2ヶ月になる日の前日」まで延長できる制度。

育児休業給付金の受給条件

育児休業給付金の受給条件
  • 1歳未満の子を養育していること
  • 雇用保険に入っていて、育児休業後も働き続ける予定であること
  • 産後パパ育休を取得していること
  • 育児休業を開始前2年間の就業日数が11日以上ある月が12か月以上あること
  • 育児休業期間中の各1か月で就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること

厚生労働省:Q&A~育児休業給付~

育児休業給付金の受給対象期間

厚生労働省「育児・介護休業法について」

  • 育児休業の期間は原則産後1年間

女性は産後休業があるため、男女で算出期間が違いますが、どちらも合計が1年間(子の1歳の誕生日前日まで)であることは変わりません。

ただし、以下のようなケースでは育休期間を延長できます。

  • 保育園に落ち、待機児童となる(最大2年まで延長)
  • パパママ育休プラス制度を使用する(最大1年2ヶ月まで取得可能)

1年〜1年半のタイミングで保育所へ入園できず待機児童となった場合には、育休を延長することが認められています。

パパママ育休プラスは、取得できる最終日は延びますが、1人あたりで取得できる期間は変わらず、最長1年であることに注意が必要です。前述した保育園待機での延長では、取得期間自体が1年半〜2年に伸びますが、パパママ育休プラス制度は、復帰時期を遅らせるだけで、給付金の総額も変わりません。

例えば、パパは産後2ヶ月から育休を開始した場合、ママが産育休を合計で1年取得した後も、パパの取得期間は合計で10ヶ月です。1年まで残り2ヶ月あるので、ここでパパママ育休プラス制度を使うと、パパとママの職場復帰時期をずらすことができるわけです。

私自身は現在育休中ですが、産後パパ育休の前後に時短で働いていたので、パパママ育休プラスも活用する予定です!(申請済)

育児休業給付金の計算方法

育児休業給付金の計算方法
育休開始からの期間 計算方法 上限額
180日(6カ月)まで 取得者の育休開始時賃金日額
 ×支給日数(通常30日)の67%
310,143円
180日(6カ月)目以降 取得者の育休開始時賃金日額
 ×支給日数(通常30日)の50%
231,450円

※賃金日額は、事業主の提出する「休業開始時賃金月額証明書(票)」によって、原則育児休業開始前6カ月の賃金を180で除した額

育休開始から6カ月は休業前給与の67%、それ以降は50%が支給されますが、それぞれ上限額が決まっている点に注意しましょう。上限額は6カ月までは31万143円、それ以降は23万1,450円となっています。(上限金額は毎年8月1日に変更されます。)

休業前の給与ごとの、育児休業給付金の目安は以下のようになります。

〈表〉育児休業給付金の目安
休業前の給与 支給額67%
育休開始から180日
(6カ月)まで
支給額50%
育休開始から180日
(6カ月)目以降
20万円 13万4,000円 10万円
25万円 16万7,500円 12万5,000円
30万円 20万1,000円 15万円
35万円 23万4,500円 17万5,000円
40万円 26万8,000円 20万円
45万円 30万1,500円 22万5,000円
46万2,900円 31万143円 23万1,450円
50万円 31万143円(上限) 23万1,450円(上限)

厚生労働省「令和5年8月1日から支給限度額が変更になります」

ここで重要なのが、育児休業給付金は「非課税」でもらえる給付金だということ!!

非課税ということは「収入や所得として扱われない」ということです。

つまり、育休を取得していた場合、その期間は収入として扱われないので、所得税や住民税が安くなるということになります。

育児休業中の保険料免除

社会保険は広い意味(広義)と狭い意味(狭義)の2通りで使用されています。広義の社会保険は病気やケガ、身体の障害、失業などがあったとき、生活の保障となる公的な保険制度全体のことをさしています。日本では、国民は何らかの社会保険に加入することが義務付けられているため、労働者は事業形態や会社の規模に応じた社会保険に加入します。

社会保険(広義)は2つに分けられ、会社員・公務員が加入する「被用者保険」と、自営業者などが加入する「一般国民保険」があります。

「被用者保険」はさらに、「社会保険(狭義)」と「労働保険」に分けられています。育休中に保険料が免除されるのは、「社会保険(狭義)」に分類される「厚生年金保険」「健康保険」「介護保険(※40歳以上のみ)」です。なお、一般に「社会保険」とは、「社会保険(狭義)」のことをさします。

社会保険料免除については『育休と社会保険料の免除~損を防ぐポイント~』で詳しく記載しています。

育児休業給付金の申請方法

育児休業給付金の申請は、基本的に取得者から会社、会社からハローワークという流れで行いますが、希望すれば本人が直接ハローワークに申請手続きをすることも可能です。

この項目では、申請時に必要な書類があり、自分が準備するものがあるんだなってことがわかればOKです。

育休取得者は、育休開始予定日の1カ月前までに会社に申し出る必要があります。なお、その際に以下の書類が書類になります。

育児休業給付金の申請に必要な書類
    1. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
    2. 育児休業給付受給資格確認票
    3. (初回)育児休業給付金支給申請書
    4. 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿等
    5. 母子健康手帳の写し
    6. 育児休業給付金振込先の通帳の見開きのコピー

厚生労働省:Q&A~育児休業給付

①〜④については、会社が書類を準備してくれます。受け取った書類に必要事項を記入し、⑤と⑥を添えて提出すれば、あとは会社からハローワークに申請をしてくれます。

自分が記載した箇所・準備したものはこれだけです。

    1. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
      厚生労働省:雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書の記入例
      自分で記載したのは記入例の③④⑥です。残りは勤務先が記入しました。
    2. 育児休業給付受給資格確認票
    3. (初回)育児休業給付金支給申請書
      厚生労働省:育児休業給付受給資格確認票・( 初回 )育児休業給付金支給申請書の記入例
      自分で記載したのは記入例の「(43)支払希望金融機関とその上の欄の申請日・申請者氏名」のみです。他は勤務先が記入しました。
    4. 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿等
      勤務先が準備します。
    5. 母子健康手帳の写し
      出生届を役所に提出後、出生届出済証明のページで育児休業取得者名が記入されたものをコピーして提出
    6. 育児休業給付金振込先の通帳の見開きのコピー
      育児休業給付受給資格確認票・( 初回 )育児休業給付金支給申請書で記載した支払希望金融機関の通帳をコピーして提出

また、原則として2カ月に1回、会社が支給申請を行います。初回の申請は育休開始から2カ月経過後、4カ月を経過する日の属する月の末日までです。取得者は署名や押印をする必要があるため、やりとりについては事前に勤務先の担当者に聞いておくと安心ですね。

支給申請を行うと、支給の可否と支給額が記載された「育児休業給付金支給決定通知書」が交付され、会社から自宅に届きます。そして支給決定日から約1週間〜10日後に指定した口座に振り込まれます。振込日は特に毎月〇日など決まっているわけではありません。

「育児休業給付金支給決定通知書」には、氏名や被保険者番号、出産年月日といった基本情報のほか、2カ月分の育児休業期間における支給日数、各月(支給単位期間)ごとの支給率とその金額、2カ月分の合計支給金額など、様々な情報が記載されています。管轄のハローワークの情報も載っているので、不明点があれば確認しましょう。

ちなみに私自身の初回支給は育休取得後3ヶ月目でした。職場がいつ手続きをするかにもよりますが、育休取得後2~4ヶ月後に初回支給となります。職場からの給与収入がありませんので、その間の生活費は前もって計画的に確保しておきましょう!

【政府】育児休業給付を実質給料のほぼ全額を支給する方針へ

現在の給付率は休業前の賃金の67%で、社会保険料が免除されるため、手取り収入は実質的には約8割です。

両親が14日以上取得した場合は休業前の賃金を67%から80%程度に引き上げ、手取り収入が実質的に10割となるようにする方針です。男性の場合は、子どもが生まれて8週間以内、女性の場合は産休後8週間以内に育児休業を取得した場合で、いずれも28日間を上限に給付率を引き上げるということです。(厚生労働省「育児休業給付等関係資料(参考資料)」

これで最初の1ヶ月はお金の心配をせずに育児に集中できるようになりますね。

【まとめ】『【男性の育児休業】制度・期間・給付金をわかりやすく解説!』

この記事のまとめ
  • 育児休業期間中は、給与が支払われないことが多い。
  • 育児休業期間中は、給与の代わりに「育児休業給付金」が雇用保険から支給される。
  • 育児休業給付金は、育休開始から6カ月(180日)は休業前給与の67%、それ以降は50%支給される。
  • 育児休業期間中は、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料が免除になる。
  • 給付金や免除などを含めると、休業前の月収の約8割をカバーすることが可能。
  • 2023年11月、政府は産後一定期間に夫婦ともに育休を取得した場合、休業前の賃金とほぼ同額の給付金を受けられるようにする方針であることを発表している。

“社会保険料免除”免除をしっかり受けるためにはどうすればよい?といった内容については『育休と社会保険料の免除~損を防ぐポイント~』に詳しく記載しています。

収入が減らない?新しい育休の取り方“半育休”については『【男性育休】新しい育休の取り方!半育休をオススメする3つの理由と注意事項』に詳しく記載しています。

男性も育休についてしっかり理解して、積極的に育休を取得して欲しいなと思います。

 

最後に、男性の長期育児休業に理解を示してくれた職場には本当に感謝しております。

 

 

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