抗アレルギー薬である第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬アレサガ®テープ/レミカット®カプセル(エメダスチン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFカプセルは『レミカット®IF, 2020年4月(第9版)』、IFテープは『アレサガ®IF, 2021年4月(第5版)』のことです。
Contents
アレサガ®テープ/レミカット®カプセル(エメダスチン)薬物動態情報
適応
アレサガ®テープ
- アレルギー性鼻炎
レミカット®カプセル
- アレルギー性鼻炎
- じん麻疹
- 湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹
用法用量
アレサガ®テープ
1回4mg 1日1回貼付 部位:胸部、上腕部、背部又は腹部のいずれか(8mgまで増量可)
レミカット®カプセル
1回1~2mg 1日2回朝食後・就寝前経口投与
バイオアベイラビリティ
該当資料なし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
該当資料なし
分布容積(Vd)
- みかけの分布容積725.0L(IF:P.29より)
全身クリアランス(CL)
- みかけの全身クリアランス72L/hr(IFカプセル:P.29より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 未変化体3.6%(24時間)、未変化体及び代謝物の合計は投与量の約44.1%(24時間)(IFカプセル:P.31より)
測定時間は「半減期×4」より短く、データとしては活用できませんでした。
抽出比
Aeが不明・みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 64.8%(IFカプセル:P.30より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.648=0.352
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。
半減期
- 7時間(IFカプセル:P.28より)
- 約13時間(IFテープ:P.31より)
その他
- アレサガ®テープは経皮吸収型製剤のため、肝臓での初回通過効果を受けない
- エメダスチンの主代謝経路はベンズイミダゾール環の水酸化ほかとそれに引き続く抱合化(IFカプセル:P.30より)
- エメダスチンの代謝にはCYP1A2、2E1及び3A4が関与する(IFテープ:P.38より)
- 透析除去:該当資料なし(IFカプセル:P.32より)
- 非鎮静性
- 〈重要な基本的注意〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること→自動車運転不可
- AU TGA pregnancy category:データなし
- US FDA pregnancy category:データなし(B:点眼薬(参考))
アレサガ®テープ/レミカット®カプセル(エメダスチン)薬物動態情報まとめ
アレサガ®テープ/レミカット®カプセル(エメダスチン)の特徴
- 肝代謝型
- ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
- fuP=0.352→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
- バイオアベイラビリティ:該当資料なし
- 半減期:カプセル7時間、テープ13時間
- 透析除去:該当資料なし
- 非鎮静性
- 自動車運転不可
- AU TGA pregnancy category:データなし
- US FDA pregnancy category:データなし(B:点眼薬(参考))