育休と社会保険料の免除~損を防ぐポイント~
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この記事のまとめ
  • 給与と育休の社会保険料免除の要件:「月末」or「同一月内14日以上」の育休取得
  • 賞与と育休の社会保険料免除の要件:「月末」and「1か月超」の育休取得

育児休業(育休)中は社会保険料が免除されることは『【男性の育児休業】制度・期間・給付金をわかりやすく解説!』でも記載していますが、しっかりと免除を受けるには育休取得の仕方にポイントがあります。取得の仕方を間違えると、得られるはずだった社会保険料の免除額が減りますので注意が必要です!!!

せっかく育児休業を取得できるのであれば、得られる免除はしっかり受けたいですよね。

男性が育休を取得するときに取得期間をどうするか考えることが多いと思いますが、取得開始や終了が1日ずれるだけで受けられたはずの免除が受けられないなんてことも…。

免除額もバカにならないので、ポイントを押さえて損を防ぎましょう!

いつも社会保険料でどれくらい引かれているかは給与明細を確認してみてください!きっとこの額が免除されるの?ってビックリしますよ!(一応、計算方法は本記事内『社会保険料の計算方法』に記載しました。)

男性で育休を1年間取得する場合はこんなこと考えなくてもいいんですけどね…。育休を3ヶ月とるとか、6ヶ月とるといった場合はポイントを押さえて、受けられる免除が受けられない…なんてことがないようにしましょう。

(※この記事は実際に育休を取得した経験を元に記載しています。)

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育休と社会保険料の免除~損を防ぐポイント~

育児休業中の社会保険料の免除

下記の一定の要件を満たしていれば、育児休業期間(出生時育児休業を含む)における各月の月給・賞与に係る社会保険料が被保険者本人負担分及び事業主負担分ともに免除されます。
① その月の末日が育児休業期間中である場合
② ②令和4年10月以降は
・①に加えて、同一月内で育児休業を取得(開始・終了)し、その日数が14日以上の場合、新たに保険料免除の対象とし、
・ただし、賞与に係る保険料については連続して1か月を超える育児休業を取得した場合に限り免除することとしました。

これをみてどういうことかイメージはつかめましたか?ではみていきましょう。

給与と社会保険料免除

給与で下記のケースについてくらべてみましょう。
① 月末
② 同月内14日以上(月末含まない)
③ 月をまたいで14日以上
④ 月末から翌月末
⑤ 月末から翌々月途中

① 月末

月末を含んでいるので7月分給与の社会保険料は免除となります。例では5日間取得していますが、7/1から取得しても、月末7/31から取得しても同様に免除されます。

② 同月内14日以上(月末含まない)

月末を含むと社会保険料は免除となりましたが、月末を含まなくても免除となるケースがあります。令和4年10月以降、同じ月内で14日以上育休を取得(開始・終了)した場合に社会保険料は免除となりました。月の半分以上育休で働いていないのに社会保険料を払うのもおかしな話ですもんね。14日以上なので、月末を含まず同月内の取得日が14日未満の場合、社会保険料は免除されません。

③ 月をまたいで14日以上

月をまたいでいる、つまり月末を含んでいるため7月の社会保険料は免除されます。もし8月に14日以上育休を取得していても、8月の社会保険料は免除されません。②のケースのように社会保険料免除が適用されるのは同月内で育休取得が終了した場合のみです。

④ 月末から翌月末

6月と7月の月末に育休を取得しているので、6月と7月の社会保険料は免除されます。

⑤ 月末から翌々月途中

6月と7月の月末に育休を取得しているので、6月と7月の社会保険料は免除されます。8月は月末を含んでいないため、免除となりません。

 

数カ月間取得する場合は、少なくとも取得月から終了月の月末まで育休期間とするとしっかり社会保険料の免除を受けることができます。

また自分は職場の事情により一度育休から職場に戻りましたが、取得月の月末から再度育休を取得しました。これでしっかりと社会保険料免除を受けられます。育休が分割できるようになったのでできることですね!

賞与と社会保険料免除

賞与で以下のケースについてくらべてみましょう。
① 月末
② 同月内14日以上(月末含まない)
③ 月をまたいで14日以上
④ 月末から翌月末
⑤ 月末から翌々月途中

賞与の社会保険料免除を受けるためには、賞与月の月末を含めて、1ヶ月以上育休を取得する必要があります。

そのため図の①②③では社会保険料は7月の給与分は免除されますが、賞与については免除されません。

④⑤では賞与月の月末を含め&1ヶ月以上育休を取得しているので、賞与の社会保険料も免除されます。ここで注意が必要なのは賞与月の月末(7/31)も育休を取得していることです。7/31まで続けて育休を取得していない場合は賞与の社会保険料は免除されないのでご注意を!

では実際に社会保険料がどのくらい免除されているのかみていきましょう。

社会保険料の計算方法

社会保険料の計算方法
  • 健康保険料の計算方法
    健康保険料=標準報酬月額×健康保険料率
    従業員が負担する健康保険料=健康保険料÷2
    ※健康保険料率は都道府県により異なる(参考:東京都10%)
  • 厚生年金保険料の計算式
    厚生年金保険料=標準報酬月額×18.3%
    従業員が負担する厚生年金保険料=厚生年金保険料÷2

全国健康保険協会「令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)」

社会保険料は従業員と企業で折半になるため、「健康保険料÷2」が従業員の負担分となります。

たとえば標準報酬月額が30万円の場合、東京都では社会保険料は以下のようになります。

健康保険料=(300,000×0.1)/2=15,000円
厚生年金保険料=(300,000×0.183)/2=27,450円
社会保険料=健康保険料+厚生年金保険料=42,450円

つまり標準報酬月額が30万円の場合、育児休業給付金を受け取る場合は従業員負担分の社会保険料42,450円が免除になります。

有休消化vs育休取得

私の職場でも過去に育休は取得しにくい…、有休も余っているから1カ月間有休消化で代用しようというケースがありました。
でも本当に有休消化でよいのでしょうか?

では実際に1ヶ月間取得したと仮定して比較してみましょう。

 

なお、ここではわかりやすくするため雇用保険料、所得税、住民税等を考慮しておりませんのでその点ご注意ください。また育休取得前6ヶ月間の収入は同じとします。あくまで概算である点はご理解くださいね。

① 固定給30万、1ヶ月間(7/1~7/31)取得

まずは給与額面30万(固定給のみ)の場合を例にして考えます。

1ヶ月間有休or育休を取得した場合の手取り額を比較します。

有休 育休
7月給与 300,000
育児休業給付金(67%) 201,000
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
7月給与手取り 257,550 201,000
手取り計 257,550 201,000

201,000/257,550=78%と育児休業給付金で約8割程度をカバーすることができることが分かりますね。

② 固定給30万、前月末日~月末(6/30~7/31)取得

1日だけ育休開始日を早めて取得した場合はどうなるでしょうか。

有休 育休
6月給与 300,000 290,000
育児休業給付金(67%) 6,700
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
6月給与手取り 257,550 296,700
7月給与 300,000
育児休業給付金(67%) 201,000
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
7月給与手取り 257,550 201,000
手取り計 515,100 497,700

6月は育休を1日取得しているので1日分の育児休業給付金が支給されます。29日分の給与収入がありますが、社会保険料が免除されます。

たった1日ずれるだけで手取り額は給与(有休)の約97%と増えました。

③ 固定給30万+賞与40万、1ヶ月間(7/1~7/31)取得

①に加えて、7/10に40万円の賞与が出るとします。

賞与月の月末かつ1ヶ月の育休取得のため賞与の社会保険料も免除されます。

有休 育休
7月給与 300,000
育児休業給付金(67%) 201,000
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
7月給与手取り 257,550 201,000
7月賞与 400,000 400,000
健康保険料 20,000
厚生年金保険料 36,600
7月賞与手取り 343,400 400,000
手取り計 600,950 601,000

賞与のある月1ヶ月間を比べると有休と育休はほぼ同じとなりました。

④固定給30万+賞与40万、 前月末日~月末(6/30~7/31)取得

②のケースで賞与がある場合はどうなるでしょうか。

有休 育休
6月給与 300,000 290,000
育児休業給付金(67%) 6,700
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
6月給与手取り 257,550 296,700
7月給与 300,000
育児休業給付金(67%) 201,000
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
7月給与手取り 257,550 201,000
7月賞与 400,000 400,000
健康保険料 20,000
厚生年金保険料 36,600
7月賞与手取り 343,400 400,000
手取り計 858,500 897,700

6/30~7/31まで育休を取得すると、同期間有休を取得するよりも約4万円も手取り額が多くなりました。

⑤月給30万(固定給25万+残業代5万)、1ヶ月間(7/1~7/31)取得

月給30万は①とおなじですが、内訳が“固定給25万+残業代5万”となった場合はどうでしょうか。

有休 育休
7月給与 250,000
育児休業給付金(67%) 201,000
健康保険料 15,000
厚生年金保険料 27,450
7月給与手取り 207,550 201,000
手取り計 207,550 201,000

有休の場合、残業代は含みませんので、固定給の25万円から社会保険料が引かれた残りが手取り収入となります。

それにたいし育児休業給付金の基準日額は残業代等も含めた額面で決まってきます。

そのため、有休と育休の手取りはほぼ同額となりました。

残業代が多い人ほど、育休取得の方が有休より手取り収入が増える可能性があります。

社会保険料免除で損をしないために

育休を取得する場合、

  • 月末~月末まで育休を取得すると、
  • 育休取得期間に賞与があると、

社会保険料が最大限免除され手取り額が増えます。

 

同じ1ヶ月取得するなら育休にして、1日期間を増やすだけでも免除額はだいぶ変わります。

タイミングもありますが賞与の出る月にうまく育休をあわせることができればお得ですね。

今回は約1ヶ月間で比較しましたが、1ヶ月といわず、もっと長期で育休を取得して欲しいなと思います。

そもそも育休を1年間取得できるようになれば、こんな問題考えなくてOKになりますね~。

【有休消化vs育休取得】手取り収入が多いのは?

結論、手取り収入が多いのは育休です!(私の場合です)

手取り収入の比較(私の場合)
  • 育休(給付率67%:6ヶ月まで)≒有休取得 or 定時(7.5hr/日)での勤務
  • 育休(給付率50%:6ヶ月目以降)≒時短(6hr/日)での勤務

私の場合、概算で有休(定時で働く)より育休のほうが少しだけですが収入が増えるという事態が起こりました(笑)

育休のほうが収入が増えたのは育休前の残業代のおかげです。

 

よく育休取得前の収入と比較していると思いますが、子供が産まれてからの働き方による収入と比べるのも大事だと思います。

 

もしどんなに有休があまっていても有休には限りがあります。3ヶ月間以上育休を取得したい場合は有休では足りないですよね。また育休の場合は、復帰後ほかのことに有休を使うことができるのも良いと思います。

 

収入についても育休取得前は残業が多かった場合、維持するためには同程度の残業時間が必要となります。

有休は当然、定時での給料で残業代を含みません。残業代が含まれないので、私の場合はそれだけで育休前の8割程度になるうえ、さらにそこから社会保険料も引かれます。

それにたいして育児休業給付金の基準日額は残業代等も含めた額面で決まってきます。

もし1ヶ月間程度の休みから復帰したあとに働く場合、残業時間が多かった場合は育休前と同じくらい残業しますか?

残業時間が多かった場合、定時で働く場合と育児休業給付金で育休前8割程度の収入を得る場合は残業時間にもよりますが、私のように育児休業給付金のほうが多くなるケースもあります。

ちなみに実際に自分の残業時間は月20~30時間くらいでしたが、復帰後は時短で勤務したため、育児休業給付金のほうが圧倒的に多くなりました。どのくらいかというと時短の手取り収入が6ヶ月以降の育児休業給付金給付率50%と同等額でした。概算で私が定時で働く(=有休取得)場合とも比べてみましたが、育休前の残業代が多かったので幸運なことに、最初の6ヶ月間は“有休消化&定時で働く”より育児休業給付金のほうが数千円程度手取り額が多くなりそうでした。

 

また育児休業給付金は育休180日以内は給付率67%(手取りで8割程度)ですが、以降は給付率50%(手取りで6割程度)となります。

収入面で不安…という方は、半育休という働き方もあります。半育休についてはコチラの記事(作成予定)に詳しく記載していますので是非参考にしてくださいね。(もう少しお待ちください)

私は半育休というスタイルでしたので、育休のほうが圧倒的に手取り額が増えたということになります!

まとめ『育休と社会保険料の免除~損を防ぐポイント~』

育休と社会保険料の免除のポイント
  • 給与と育休の社会保険料免除の要件:「月末」or「同一月内14日以上」の育休取得
  • 賞与と育休の社会保険料免除の要件:「月末」and「1か月超」の育休取得

〇ヶ月育休取得する場合、開始月の月末から終了月の月末まで取得した場合に社会保険料免除が最大となる。

 

ほんとはこんなことを考えずに、男性も普通に1年間育休を取得できる世の中になれば良いんですけどね。

男性も計画的に育児休暇を取得して、社会保険料の免除を受けそびれるなんて損をしないようにしましょう!

 

 

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