尿酸生成抑制薬のフェブリク®(フェブキソスタット)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『フェブリク®IF, 2022年11月(第10版)』のことです。
Contents
フェブリク®(フェブキソスタット)薬物動態情報
適応
- 痛風、高尿酸血症
- がん化学療法に伴う高尿酸血症
用法用量
- 痛風、高尿酸血症
フェブリク® 1回10mg 1日1回経口投与(最大60mg) - がん化学療法に伴う高尿酸血症
フェブリク® 1回60mg 1日1回経口投与
バイオアベイラビリティ
- 84~92%以上
外国人健康成人男性に14C-フェブキソスタットとして80mgを含有する液剤を単回経口投与したとき、糞中に排泄されたフェブキソスタットは8~16%であったことからフェブキソスタットの吸収率は84~92%以上と推定された。(IF:P.62より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- 該当資料なし
分布容積(Vd)
- Vss/F:52.3±28.3 L/h(IF:P.62より)
みかけの分布容積のため、データを用いて特徴付けすることはできませんでした。
全身クリアランス(CL)
- CL/F 10.873±2.286L/h(IF:P.18より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 2.2~3.9%
健康成人男性24例にフェブキソスタットとして10、20及び40mgを絶食下単回経口投与したとき、投与後24 時間及び96 時間までの投与量に対するフェブキソスタットの尿中排泄率はそれぞれ2.1~3.8%及び2.2~3.9%であった。また、投与後24時間及び96時間までの投与量に対するフェブキソスタットのグルクロン酸抱合体の尿中排泄率はそれぞれ46.7~49.7%及び49.0~51.6%であり、その他の酸化代謝物(67M-1、67M-2及び67M-4の合計値)が9.7~12.7%であった。(IF:P.67より)
96時間>半減期(7.3時間)×5であり、96時間での測定データをもちいた。
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 97.8~99.0%(IF:P.65より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.99=0.01
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 6.2~7.3時間(IF:P.57より)
その他
- フェブキソスタットはキサンチンオキシダーゼの作用を阻害することにより、尿酸産生を抑制し血中及び尿中尿酸値を低下させる。類薬であるアロプリノールはキサンチンオキシダーゼの基質であるキサンチンと類似の分子構造を有するのに対して、フェブキソスタットはキサンチンと異なる分子構造(非プリン骨格)を有し、キサンチンオキシダーゼ以外の他の核酸代謝酵素を阻害せず、キサンチンオキシダーゼに選択的な阻害活性を示す。(IF:P.52より)
- 未変化体・酸化代謝物ともにキサンチンオキシダーゼを阻害し、薬効を示す
- 透析除去率:該当資料なし(フェブキソスタットは血漿蛋白結合率が高いため、血液透析は有効な除去法ではないと考えられる。)
フェブリク®(フェブキソスタット)薬物動態情報まとめ
- キサンチンオキシダーゼに選択的な阻害活性
- Ae=2.2~3.9%→肝代謝型(Ae≦30)
- ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
- fuP=0.01→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:84~92%以上
- 半減期:6.2~7.3時間
- 未変化体・酸化代謝物ともにキサンチンオキシダーゼを阻害し、薬効を示す
- 透析除去率:ほとんど除去されないと考えられる