胃酸分泌抑制薬であるH2ブロッカーのプロテカジン®(ラフチジン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『プロテカジン®IF, 2019年9月(第14版)』のことです。
Contents
プロテカジン®(ラフチジン)薬物動態情報
適応
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
○麻酔前投薬
用法用量
〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎〉
通常、成人にはラフチジンとして1 回10mg を1 日2 回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
〈下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善・急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期〉
通常、成人にはラフチジンとして1 回10mg を1 日1 回(夕食後または就寝前)経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
〈麻酔前投薬〉
通常、成人にはラフチジンとして1 回10mg を手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2 時間前の2 回経口投与する。
バイオアベイラビリティ
- 該当資料なし(IF:P.19より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- 該当資料なし
分布容積(Vd)
- 該当資料なし(IF:P.34より)
該当資料なく特徴付けできませんでした。
全身クリアランス(CL)
- 該当資料なし(IF:P.34より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 10.9%(IF:P.39より)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
クリアランスが不明のため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 87.7~88.6%(IF:P.37より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.88=0.12
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- t1/2β 3.79hr(IF:P.32より)
その他
- 代謝はCYP3A4、CYP2D6が関与していると考えられる。(IF:P.38より)
- 透析除去率:7~18%(IF:P.40より)
プロテカジン®(ラフチジン)薬物動態情報まとめ
プロテカジン®(ラフチジン)の特徴
- Ae:10.9→肝代謝型(Ae≦30)
- ER・EH:特徴づけ不可
- Vd:該当資料なし
- fuP:0.12→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:該当資料なし
- 半減期:3.79時間
- CYP3A4、CYP2D6で代謝
- 透析除去率:7~18%