クラリチン®(ロラタジン)薬物動態情報
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抗アレルギー薬である第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬クラリチン®(ロラタジン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中のIFは『クラリチン®IF, 2023年7月(第21版)』のことです。

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クラリチン®(ロラタジン)薬物動態情報

適応

  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹
  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法用量

〈成人〉
クラリチン® 1回10mg 1日1回 食後経口投与

〈小児〉
3 歳以上7 歳未満の小児:1回5mg
7 歳以上の小児:1回10mg

バイオアベイラビリティ

該当資料なし

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

該当資料なし

分布容積(Vd)

見かけの分布容積(IF:P.51より)

  • ロラタジン:4810±6354L
  • DCL:4425±1068L

主要活性代謝物 descarboethoxyloratadine(DCL)

見かけの分布容積のため特徴付けできませんでした。

全身クリアランス(CL)

見かけの全身クリアランス(IF:P.50より)

  • ロラタジン:401±275 L/hr
  • DCL:249±59.1L/hr

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 健康成人男性 6 例に 14C-ロラタジン水溶液 40mg*を空腹時に単回経口投与したとき、投与 10 日後までの累積排泄率は、尿中に 40.0%、糞中に 41.2%排泄され、排泄率の合計は 81.2%であった。尿中にロラタジン(未変化体)は検出されず、活性代謝物 DCL は尿中放射能の2%未満であった。(参考:外国人データ)*:40mg は承認外用量(IF:P.54より)

主に薬効を示すのは主要活性代謝物のDCLなので、DCLで判断します。
DCLの排泄率は2%未満という記載から、
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。

(参考)
代謝部位:小腸又は肝臓
代謝経路:消化管から吸収されたロラタジン(未変化体)は、小腸又は肝臓において速やかに活性代謝物DCL へと代謝された後、引き続き 3 位、5 位又は 6 位水酸化体に代謝され、ヒトにおいてグルクロン酸抱合体として存在することが確認されている。(IF:P.53より)

抽出比

みかけのクリアランスのため腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。

タンパク結合率

  • ロラタジン:96.8~97.9%
  • DCL:73.3~75.6%

(IF:P.52より)

主に薬効を示すのは主要活性代謝物のDCLなので、DCLの結合率で判断します。
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。

血漿中遊離形率(fuP)=1-0.75=0.25
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。

半減期

  • ロラタジン:14.3±7.8hr
  • DCL:14.5±3.3hr

(IF:P.43より)

その他

  • DCLの効力は、ロラタジンよりも抗ヒスタミン作用で7.9倍、ヒスタミン遊離抑制作用で 4.0倍強かった(in vitro)ことから、ヒトに経口投与したときの主たる薬効に寄与しているのはDCLである。(IF:P.54より)
  • 代謝:CYP3A4、CYP3A4阻害剤存在下ではCYP2D6(IF:P.53より)
  • 人工透析:影響をうけない(IF:P.54より)
  • 本邦の第Ⅰ相試験において、健康成人男子に対し本剤5mg、10mg、20mg及び40mg単回投与並びに10mg及び20mg 1日1回反復投与の各試験結果では良好な忍容性が確認され、10mg 1日1回投与以下では鎮静作用を認めないことを確認した。(IF:P.19より)→非鎮静性
  • 健康成人男性20例を対象にサーキット上での自動車運転能力に及ぼす影響を検討したとき、ロラタジン10mg及びロラタジン20mg*の単回投与時の運転能力はプラセボ投与時と有意差がなかった。(*:20mg は承認外用量)(IF:P.37より)→自動車運転可
  • AU TGA pregnancy category:B1
  • US FDA pregnancy category:Not formally assigned to a pregnancy category.

クラリチン®(ロラタジン)薬物動態情報まとめ

クラリチン®(ロラタジン)の特徴
  • 活性代謝物DCL
  • ロラタジンからDCLの代謝:CYP3A4、CYP2D6(CYP3A4阻害剤存在下)
  • DCLの抗ヒスタミン作用:ロラタジンの7.9倍
  • DCL:肝代謝型
  • ER、EH、Vd(b)→特徴づけ不可
  • DCL のfuP=0.25→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
  • バイオアベイラビリティ:記載なし
  • 半減期:DCL→14.5時間
  • 透析:影響を受けない
  • 非鎮静性
  • 自動車運転可
  • AU TGA pregnancy category:B1
  • US FDA pregnancy category:Not formally assigned to a pregnancy category.

 

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