アルダクトン®A(スピロノラクトン)はミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)で高血圧やうっ血性心不全などに用いられます。MRAは心保護効果もありうっ血性心不全において、ファンタスティックフォーと呼ばれる薬剤のひとつでもあります。(ARNI、β1遮断薬、MRA、SGLT-2阻害薬の4つの予後改善薬をファンタスティックフォーといいます。)
ではMRAのひとつである薬剤、スピロノラクトンの薬物動態情報を見ていきましょう。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
また本記事中のIFは『アルダクトン®A IF, 2022年1月(第10版)』のことです。
Contents
アルダクトン®A(スピロノラクトン)薬物動態情報
用法用量
- スピロノラクトン 1日50~100mg 適宜増減
禁忌:無尿又は急性腎不全
バイオアベイラビリティ
- 絶対生物学的利用率:70%(IF:P.25より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- データなし
分布容積(Vd)
- Vd/F: 364.0L(活性代謝物カンレノン)(IF:P.25より)
経口投与でのデータであり特徴づけには適さないですが、参考値として記載しています。
全身クリアランス
- 該当資料なし(IF:P.25より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 活性代謝物カンレノンの尿中累積排泄率5%(IF:P.30図より読み取り)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
- ―
クリアランスの該当資料なく不明です。
タンパク結合率
- 90%(IF:P.25より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.9=0.1
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 11.6 時間(活性代謝物カンレノン)(IF:P.21より)
その他
- スピロノラクトンは活性代謝物カンレノンに代謝されて作用を示す
- ステロイド骨格をもつMRA
- 副作用:高カリウム血症、女性化乳房
アルダクトン®A(スピロノラクトン)薬物動態情報まとめ
アルダクトン®A(スピロノラクトン)の特徴
- 活性代謝物カンレノンが作用を示す
- ステロイド型MRA
- Ae=5→肝代謝型(Ae≦30)
- ER、EH、Vd(b):特徴づけ不可
- fuP=0.1→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:70%
- 半減期:11.6時間
- 副作用:高カリウム血症、女性化乳房
- 禁忌:無尿又は急性腎不全
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