アルタット®(ロキサチジン)薬物動態情報
スポンサーリンク

胃酸分泌抑制薬であるH2ブロッカーのアルタット®(ロキサチジン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。

各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。

本記事中の錠IFは『アルタット®錠IF, 2020年9月(第12版)』、注IFは『アルタット®注IF, 2020年9月(第8版)』のことです。

スポンサーリンク

アルタット®(ロキサチジン)薬物動態情報

適応

○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、麻酔前投薬

○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

用法用量

<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎>
(成人)ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与。または1回150mgを1日1回(就寝前)経口投与。

<Zollinger-Ellison症候群>
(成人)ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mg(細粒375mg)を1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与。

<下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期>
(成人)ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mg(細粒375mg)を1日1回(就寝前又は夕食後)経口投与。

<麻酔前投薬>
(成人)1回75mg(細粒375mg)を手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与。または1回150mg(細粒750mg)を手術前日就寝前に1回経口投与。

※小児
体重30kg未満:1回37.5mg(細粒187.5mg)、体重30kg以上:1回75mg(細粒375mg)

バイオアベイラビリティ

  • 該当資料なし

全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)

  • 該当資料なし

分布容積(Vd)

  • 143.2±18.8L(75mg単回静脈内投与)
    (注IF:P.19より)

Vd(b)=Vd/(B/P)=143.2/0.5
Vd(b)≦286.4L

Vd(b)≧50(細胞内分布型)、Vd(b)=20~50(分布中間型)、Vd(b)≦20(細胞外分布型)すべての可能性があるため特徴付けできませんでした。

全身クリアランス(CL)

  • 29.5±2.4L/hr(75mg単回静脈内投与)
    (注IF:P.19より)

尿中未変化体排泄率(Ae)

  • 腎排泄

健康成人5例にアルタットカプセル75mgを経口投与した結果、主代謝物は脱アセチル体(M-1)であり、尿中排泄率は投与量の約55%を占めていた。次に多い代謝物はカルボン酸誘導体(M-2)で投与量の約10%を占め、他の代謝物はすべて3%以下であった(投与後24時間以内の累積値)(錠IF:P.32より)

脱アセチル体67.5%(24時間)(注IF:P.22より)

※脱アセチル体(M-1)はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩とほぼ同程度の薬理活性を示す。(錠IF:P.32より)

未変化体+代謝物≧70と考えられ腎排泄型の薬剤といえます。

抽出比

Aeが明確でないため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。

タンパク結合率

  • 6~11%(錠IF:P.31より)
  • 約9%(注IF:P.20より)

タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.11=0.89
fuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。

半減期

  • 4.97時間(錠IF:P.26より)

その他

  • 肝臓、小腸及び血清中のエステラーゼにより脱アセチル化
  • 透析除去率:43.3%(注IF:P.22より)

アルタット®(ロキサチジン)薬物動態情報まとめ

アルタット®(ロキサチジン)の特徴
  • 腎排泄型
  • ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
  • fuP:0.89→タンパク結合非依存型(fuP>0.2)
  • バイオアベイラビリティ:該当資料なし
  • 半減期:4.97時間
  • 透析除去率:43.3%

 

皆様の応援が励みになります。
1日1回、クリック(↓)をよろしくお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

スポンサーリンク
他にもこんな記事を書いています!