尿酸生成抑制薬であるトピロリック®(トピロキソスタット)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『トピロリック®IF, 2023年1月(第10版)』のことです。
Contents
トピロリック®(トピロキソスタット)薬物動態情報
適応
痛風、高尿酸血症
用法用量
トピロリック® 1回20mg 1日2回経口投与
(最大投与量は1回80mgを1日2回)
バイオアベイラビリティ
- 76.8%以上
健康成人男子(6例)に14C-トピロキソスタット80mgを絶食下で単回経口投与したとき、投与後192時間までの尿中放射能排泄率は76.8%であったことより、トピロキソスタットの吸収率は76.8%以上と推察される。(IF:P.40より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
- 該当資料なし
分布容積(Vd)
- 該当資料なし(IF:P.40より)
全身クリアランス(CL)
- 見かけ上の全身クリアランス:69.525±18.292L/h(IF:P.40より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 0.1%未満(IF:P.44より)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 97.5~98.8%(IF:P.42より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.975=0.025
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 4.56~7.49時間(IF:P.37より)
その他
- トピロキソスタットはプリン骨格を有さない選択的キサンチン酸化還元酵素(XOR)阻害剤である。
- トピロキソスタットは主にグルクロン酸抱合体に代謝され、その代謝には主にUGT1A9が関与していた。(IF:P.43より)(UGT:ウリジン2リン酸-グルクロン酸転移酵素)
- ヒトにおけるトピロキソスタットの主要な代謝物(N1-グルクロン酸抱合体、N2-グルクロン酸抱合体及びN-オキサイド体)について、粗精製ウシミルクXORに対する阻害活性を検討したところ、トピロキソスタットに比べN1-及びN2-グルクロン酸抱合体は1000倍以上、N-オキサイド体は約200倍弱かった。(IF:P.44より)
- 透析除去率:該当資料なし
トピロリック®(トピロキソスタット)薬物動態情報まとめ
トピロリック®(トピロキソスタット)の特徴
- 選択的キサンチン酸化還元酵素阻害剤
- プリン骨格をもたない
- Ae<0.1→肝代謝型(Ae≦30)
- ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
- fuP=0.025→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:76.8%以上
- 半減期:4.56~7.49時間
- UGT1A9により代謝
- 透析除去率:該当資料なし