抗アレルギー薬である第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬アゼプチン®(アゼラスチン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『アゼプチン®IF, 2020年11月(第10版)』のことです。
Contents
アゼプチン®(アゼラスチン)薬物動態情報
適応
- アレルギー性鼻炎
- 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹
- 気管支喘息
用法用量
〈アレルギー性鼻炎及び蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹〉
アゼプチン® 1回1mg 1日2回朝食後・就寝前経口投与
〈気管支喘息〉
アゼプチン® 1回2mg 1日2回朝食後・就寝前経口投与
バイオアベイラビリティ
- 約 95%(外国人データ)(IF:P.14より)
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
該当資料なし
分布容積(Vd)
- 該当資料なし(IF:P.14より)
全身クリアランス(CL)
- 該当資料なし(IF:P.14より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 2.5%(72時間)(IF:P.16より)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
クリアランスが不明のため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 80~84%(ヒト血漿)(IF:P.16より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.8=0.2
fuP≦0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 約16.5時間(IF:P.12より)
その他
- 透析除去:該当資料なし(IF:P.17より)
- 脳内ヒスタミンH1 受容体占拠率:約21.5%1)(図より読み取り)(20%以下は非鎮静性)→軽度鎮静性
- 〈重要な基本的注意〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること。→自動車運転不可
- AU TGA pregnancy category:記載なし、(参考)B3:点眼薬
- US FDA pregnancy category:記載なし、(参考)C:点眼薬
アゼプチン®(アゼラスチン)薬物動態情報まとめ
アゼプチン®(アゼラスチン)の特徴
- Ae=2.5%→肝代謝型(Ae≦30)
- ER・EH・Vd(b):特徴づけ不可
- fuP=0.2→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:95%
- 半減期:16.5時間
- 軽度鎮静性
- 自動車運転不可
- AU TGA pregnancy category:記載なし、(参考)B3:点眼薬
- US FDA pregnancy category:記載なし、(参考)C:点眼薬
参考資料
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- 谷内一彦:薬理作用から見た理想的な抗ヒスタミン薬治療.日耳鼻 2020;123:196-204.