抗アレルギー薬である第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬デザレックス®(デスロラタジン)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『デザレックス®IF, 2023年10月(第9版)』のことです。
Contents
デザレックス®(デスロラタジン)薬物動態情報
適応
- アレルギー性鼻炎
- 蕁麻疹
- 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
用法用量
〈12歳以上の小児・成人〉
デザレックス® 1回5mg 1日1回経口投与
バイオアベイラビリティ
該当資料なし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
該当資料なし
分布容積(Vd)
- 見かけの分布容積:3260L(IF:P.35より)
見かけの分布容積のため特徴付けできませんでした。
全身クリアランス(CL)
- 見かけの全身クリアランス:116L/hr(IF:P.35より)
尿中未変化体排泄率(Ae)
- 1.7%(IF:P.38より)
Ae≦30より肝代謝型の薬剤といえます。
抽出比
みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- 82.8~87.2%(IF:P.37より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.828=0.172
fuP<0.2よりタンパク結合依存型の薬剤といえます。
半減期
- 19.5hr(IF:P.32より)
その他
- ヒトでの主代謝物であるデスロラタジンの3-OHデスロラタジンのin vitroでの抗ヒスタミン作用は、pA2値に基づくとデスロラタジンの約0.3倍であり、血中存在比(デスロラタジンの約60%)を考慮すると、未変化体が主に薬効に寄与しているものと考えられた。(IF:P.38より)
- デスロラタジンは血液透析によってほとんど除去されず、末期腎不全患者(外国人 6 例)にデスロラタジン錠7.5mgを単回投与後4~8時間に実施した血液透析による除去率は、投与量の約0.3%(算術平均)であった。(IF:P.38より)
- 非鎮静性で長時間作用型の第二世代抗ヒスタミン薬であり、既承認のロラタジンの主要活性代謝物である。(IF:P.1より)→非鎮静性
- デスロラタジン錠服用後の眠気、精神運動機能及び自動車運転能力に対する影響はプラセボ服用後と同程度であった。(IF:P.11より) →自動車運転可
- AU TGA pregnancy category:B1
- US FDA pregnancy category:C
デザレックス®(デスロラタジン)薬物動態情報まとめ
デザレックス®(デスロラタジン)の特徴
- Ae=1.7%→肝代謝型(Ae≦30)
- ER、EH、Vd(b)→特徴づけ不可
- fuP≦0.172→タンパク結合依存型(fuP≦0.2)
- バイオアベイラビリティ:該当資料なし
- 半減期:19.5時間
- 透析:影響を受けない
- 非鎮静性
- 自動車運転可
- AU TGA pregnancy category:B1
- US FDA pregnancy category:C