抗アレルギー薬である第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬ディレグラ®(フェキソフェナジン・プソイドエフェドリン配合)について薬物動態情報を見ていきたいと思います。
各動態情報の項目について詳細は下記記事をご参照ください。
本記事中のIFは『ディレグラ®IF, 2023年5月(第10版)』のことです。
フェキソフェナジンについてはコチラの記事も参考にしてください。
Contents
ディレグラ®(フェキソフェナジン・プソイドエフェドリン配合)薬物動態情報
適応
- アレルギー鼻炎
用法用量
〈成人及び12歳以上の小児〉
- ディレグラ®配合錠 1回1錠 1日2回経口投与
ディレグラ配合錠→フェキソフェナジン60mg+プソイドエフェドリン120mg
バイオアベイラビリティ
該当資料なし
全血液中薬物濃度/血漿中薬物濃度(B/P)
該当資料なし
分布容積(Vd)
見かけの分布容積(IF:P.35より)
- フェキソフェナジン塩酸塩:1,020±713L
- 塩酸プソイドエフェドリン:323±79.2L
見かけの分布容積のため特徴づけできませんでした。
全身クリアランス(CL)
見かけのクリアランス(IF:P.35より)
- フェキソフェナジン:37.6±12.9L/hr
- プソイドエフェドリン:35.4± 6.3L/hr
尿中未変化体排泄率(Ae)
〈フェキソフェナジン〉腎排泄型
- フェキソフェナジンは、ほとんど代謝されず、ヒトでは大部分がフェキソフェナジンとして血漿、尿中に存在していた(IF:P.39より)
- 投与後11 日までの尿及び糞中の回収率は91.5%で、放射能を示す分画のほとんどはフェキソフェナジンであり、糞中に約80%、尿中に約11.5%排泄された(IF:P.40より)
〈プソイドエフェドリン〉腎排泄型
- プソイドエフェドリンは、1%以下が肝臓でN-脱メチル化され、活性代謝物のノルプソイドエフェドリンへと代謝されることが報告されている(IF:P.39より)
- プソイドエフェドリンは、投与後24 時間以内に、投与量の43~96%が未変化体として尿中に排泄される(IF:P.40より)
抽出比
みかけのクリアランスのため、腎抽出比(ER)・肝抽出比(EH)を算出することはできませんでした。
タンパク結合率
- フェキソフェナジン:60~82%(69.4±5.9%)
(IF:P.39より)
タンパク結合率より結合していない(遊離形)割合が分かります。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.694=0.306
平均値ではfuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。
- プソイドエフェドリン:79.4±7.3%(IF:P.39より)
同様に計算します。
血漿中遊離形率(fuP)=1-0.794=0.206
平均値ではfuP>0.2よりタンパク結合非依存型の薬剤といえます。
半減期
- フェキソフェナジン:15.3時間(IF:P.30より)
- プソイドエフェドリン:6.76時間(IF:P.31より)
その他
- 透析除去
フェキソフェナジン→除去できない(IF:P.48より)
プソイドエフェドリン→不明(IF:P.49より) - プソイドエフェドリンの排泄は、尿pH が低下すると増加する(IF:P.49より)
- 非鎮静性(『アレグラ®(フェキソフェナジン)薬物動態情報参照』)
- 自動車運転可(『アレグラ®(フェキソフェナジン)薬物動態情報参照』)
- AU TGA pregnancy category:B2
- US FDA pregnancy category:Not assigned
ディレグラ®(フェキソフェナジン・プソイドエフェドリン配合)薬物動態情報まとめ
ディレグラ®(フェキソフェナジン・プソイドエフェドリン配合)の特徴
- 腎排泄型
- タンパク結合非依存型
- ER、EH、Vd(b)→特徴づけ不可
- バイオアベイラビリティ:該当資料なし
- 半減期
・フェキソフェナジン15.3時間
・プソイドエフェドリン6.76時間 - 透析除去
・フェキソフェナジン→除去されない
・プソイドエフェドリン→不明 - 非鎮静性
- 自動車運転可
- AU TGA pregnancy category:B2
- US FDA pregnancy category:Not assigned